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日々つれづれ

ひと月の和菓子【2023卯月】

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テーマ「ワクワクする道を歩こう!」

新しい生活がスタートされている方も多い4月。季節感もはっきりとしてきて心も体も変化していくように思います。

自分の中の小さな変化に気付いてみるとなんだかワクワクしてきます。

 

人生一路

道は通じて一たり(みちはつうじていちたり)

中国戦国時代の思想家、荘子の言葉です。複雑に曲がりくねった迷路のような道だけれど
全てはいつしか一本の道。回り道も大切なその道。道の目的は成功ではない。すべての道は幸せという軸があってこそのもの。一番容易いようで一番難関なようで一番面白い。

信じた道に心を定め笑顔でもって道はひらける。ひとりひとりが主人公の道を歩んでいるのだ。

もっちりきなこ餡のこなし製です。

原材料:大手芒 砂糖 きなこ ササニシキの米粉 羽二重粉 藻塩 かたくり粉 水飴/金箔

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卯年の桜

錦町公園の桜。今年もにこにこと咲いています。話しかけると、うれしそうにしています。

細かく刻んだ桜の葉の塩漬け入り白あんをういろう生地で包みました。錦玉羹の中の桜を空にかざしてのぞいてみてください。優しいひとときに出会えます。

原材料:大手芒 砂糖 桜の葉の塩漬け 桜の花の塩漬け 上用粉 白玉粉 葛粉 かたくり粉 /銀箔 

 
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早天の杜

早朝の清々しい風が吹き抜ける1日のはじまりの静かな時間。まめいちの新店舗はケヤキ並木の美しい定禅寺通り沿いです。静かな中にワクワクがはじまる朝の風景。

ピンクグレープフルーツの錦玉羹とピスタチオ羊羹でお洒落な味わいに仕上げました。

原材料:ピンクグレープフルーツ 砂糖 ピスタチオ 大手芒 寒天 水飴 /銀箔 

 

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珈琲物語

まめいちの新店舗のカフェスペースではフルフル寒天パフェを楽しめるようにと考えております。スタートとなるフルフル寒天パフェは、芦田珈琲フルフル寒天を定禅寺通りの『Kisetsu』さんの美味しいジェラート入りで考え中です。どうぞお楽しみに♪

芦田珈琲まめいちブレンドの錦玉羹と、葛と寒天の新食感のミルク羹のハーモニーをお楽しみください。

原材料:芦田珈琲まめいちブレンド(コロンビア・ブラジル・グアテマラ) 砂糖 牛乳 生クリーム 寒天 葛

 

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まめいちのこれから

まめいちも一歩一歩ではございますが、変化しております。

皆様のおかげさまで、新店舗5月中旬オープンに向けて動き出しております。

和菓子まめいちの新店舗は、仙台市青葉区春日町のメディアテークさんのお隣のビルの2階。定禅寺通りのけやき並木を眺めながら、ゆったりとお抹茶と和菓子、そしてまめいち人気のフルフル寒天のパフェバージョンが楽しめるカフェを併設した和菓子屋さんをはじめます。

カフェで寛いだ後は、ゆっくりとお買い物も楽しめます♡

 

皆様の笑顔のひとときの空間づくりを、さくま建築設計の佐久間さんが設計中でございます!

新店舗オープンに向けて、和菓子まめいちは今まで以上にみんなで力を合わせて邁進中です。

チームまめいちとして、それぞれの持ち味を活かして、みんなで話し合い、毎月の和菓子づくりもみんなでアイディアを出し合い考えて、お客様に喜んでいただける作品。

チームまめいちの作品として発表してゆきたいと考えております!

 

~ チームまめいち ~

情報収集のスタッフ 三田

アイディアを形にスタッフ 佐藤

言葉を紡ぐスタッフ 綾佳

おいしいお菓子作りますスタッフ ひの希

猪突猛進社長の まめいち

新人のスタッフ えりさんも入りますのでよろしくお願います♡

ひと月の和菓子【2023 弥生】

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今月のテーマ 嵯峨天皇と空海

花は「梅」かそれとも「桜」か。
吹く風が穏やかで桜の花も目覚めはじめ嬉しい気持ちがふくらみます。奈良時代において花と言えば梅だったそうです。花と言えば桜となってきたのが平安時代。嵯峨天皇が桜を愛でながら漢詩を作って遊ぶ催し物を開催されていたのが始まりと言われています

 

弥生の空

嵯峨天皇は桜をこよなく愛したと言われています。「御車返しの桜」と言われている桜が京都・地主神社にあります。嵯峨天皇はあまりの美しさに二度三度と車を引き返しては見事に咲く桜を眺めたそうです。

嵯峨天皇の信頼を得た真言宗・空海。嵯峨天皇は空海にありとあらゆる相談をしていただろうと推測されます。その空海も桜とは関係が深く、珠洲市宝立町の法住寺には「なき桜物語」という伝説。岩手県雫石町の岩出山神社えと続く参道にあるエドヒガンの古木は「弘法桜」の伝承が残っています。

嵯峨天皇と空海の間で桜という花は、奇跡の桜か、何か不思議な関係性を感じずにはいられません
桜を愛でるとき、人は顔を上げます。下を向いていないで、上を向いて歩こう。

小豆の甘納豆入りの合わせ餡の桜の花の塩漬け入りのこなし製です。

原材料:大手芒 砂糖 小豆の甘納豆 桜の花の塩漬け ササニシキの米粉 羽二重粉 /金箔

 

Narangaサンスクリット

嵯峨天皇に空海が自作の詩とともに柑橘の実をおくったという記録が残っています。

「柑橘の霜にあいて 美なるに如かんや」

解釈:冬の寒さのような辛い苦しみに耐える力が、やがて美しく輝いた成果として現れてくる。

「星の如く 玉の如く 黄金の質」

解釈:この柑橘は星のごとく玉のごとし黄金の質なり

菓祖神・田道間守が常世の国から持ち帰った不老不死の実を思わせる詩とも思えるところが、流石空海であります。

「みかんの大トロ」と言われているせとかをふんだんに使い羊羹に仕上げました。中にはクリームチーズあんを忍ばせて春の麗らかな味わいです。

原材料:せとか 砂糖 クリームチーズ 蜂蜜 大手芒 木の芽 寒天     

 

蓬饅頭

空海の教えの中に、蓬は外的な災難を防ぐことができるとあります。金と銀は天地の精髄。
大阪経大論集 第68巻第6号を読んでいると不思議と元気になる感じがあります。元気になる饅頭をつくりたいそんな思いで調製いたしました。

中はしっとりつぶ餡、蓬たっぷりの黄身時雨です。

原材料:大手芒 砂糖 北海道小豆 蓬 卵黄 上新粉 ベーキングパウダー 金箔銀箔

 

大島桜の桜餅

大島桜は3月から4月、5弁の白い花をつけ淡い甘い香りがします。染井吉野などの多くの園芸品種を生み出した桜です。このさくらの葉っぱを塩漬けにしておいしい桜餅を作ることができます。塩漬けにした葉の独特な香りはクマリンという成分で脳も体も癒される効果があるのだそうです。

六つ割道明寺のなめらかさと、すっきりとしたこし餡、桜の葉の塩味と共にお楽しみください。

原材料:小豆 道明寺 砂糖 大島桜の葉

2月のお休みについて

2月の予定についてお知らせいたします。

【店舗営業日】

6日㈪・7日㈫
10日㈮・11日㈯・12日㈰・13日㈪・14日㈫
7日間バレンタインのお菓子をご用意して通常営業いたします。

 【店舗お休み】

 ☆3日㈮~5日㈰の3日間 仙台三越出店

三越本館地下1階上りエスカレーター脇のフロワーにてバレンタインをテーマに
生菓子、焼菓子、フルフル寒天をご用意してお待ちしております。

☆15日㈬~28日㈫ 特別注文対応

 【通常営業】

 3月3日㈮より通常営業いたします。

ご迷惑をお掛けいたしますが、ご確認の上お出かけください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
※お休みの日でも 焼き菓子ですと対応可能な場合もございます。 お問い合わせ心よりお待ちしております。
和菓子まめいち☎022-302-4720
 2月のお休み

ひと月の和菓子【2023 睦月】

202301

新春を祝い 皆様の幸せを願う菓子

卯年は芽を出した植物がぐんぐんと大きく成長する年。そして兎は跳ねる飛躍の年と言われています。どんな一年になるのでしょうワクワクしますね。皆様にとってさらにハッピーな一年になりますように。

 

まめいちの今年の意気込み

『もっともっと和菓子の世界を広げるために、いろいろな文化を深く理解し心で感じ表現して行きます』

『疑問に思った材料の事も深く理解し、共有したい熱い思いも、菓子に表現して行きます』

『そして必ずや新店舗【和菓子まめいち+cafe】オープンに向けて邁進して参ります!』

まめいちスタッフも超意欲的に和菓子の創作に励んでおります。和菓子への思いを菓子に込めておりますのでぜひお楽しみください。そして「まめいちに来るとホッとする」と言っていただけるよう心を込めてお迎えいたします。

皆様の美味しい笑顔に会うために日々精進、日々前進して参ります。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

新年祝菓子

花びら餅/お菱葩餅(ひしはなびらもち)

通称 花びら餅。ごぼうと白みそ餡をお餅で包んだ和菓子。平安時代、宮中のお正月行事である「歯固めの儀」が起源といわれています。宮中に菓子を納めていた川端道喜が作っていたそうです。明治時代に裏千家家元十一世玄々斎が初釜で使うことを許可され、新年の菓子として使われるようになりました。これまで長く京都で食されてきましたが、近年、全国の和菓子屋でも作られるようになりました。

甘く炊いたごぼうは押し鮎に、丸餅の白みそのお雑煮に見立てられていると言われています。

原材料:大手芒 砂糖 ごぼう 京都石野の白みそ 上用粉 白玉粉 片栗粉

 

新春味比べ「善友万福」

宮中歌会始 今年のお題は『友』。

『友』とは手と手を取り合って友情を誓い、助け合うという意味の漢字です。仏教に「善友」という言葉がある事を知りました。様々な学びを得られる善き人、善友を得ることが出来たら修行のほとんどは完成したものだというくらい「善友」を得ることは大事である。誰と出会って誰といるかが大事であると言っています。それは、人が影響を受けて生きる生き物だからです。良い友に恵まれれば、数えきれないほどの幸せに恵まれるという思いを込めて幸せの三色パステルで作らせていただきました。

山の芋の仲間たち「長芋をグリーン」「大和芋をピンク」「つくね芋をホワイト」と3種を茶きん絞りいたしました。それぞれのお芋の香りをお楽しみください。

お正月で疲れた胃を癒す、ほんのり梅干し餡入りです。

原材料:大和芋 つくね芋 長芋 大手芒 砂糖 梅干し 紫蘇 金箔

 

朝雪 あしたのゆき

「新しき 年の初めの初春の 今日降る雪の いや重け吉事」

万葉集より大伴家持の一首です。新年を迎え、初春も迎えた今日、降る雪のように良いことも沢山の積もるのだよ。という和歌です。朝に積もった雪に吉事を祈り純白の雪が光色づくイメージでお作りしました。雪におおわれた大地の中に何か新しい芽生え、それは次に生まれる菓子の芽生え。

黒糖あんを大地に、新しい芽生えを珈琲の錦玉羹で表現しました。来月のお菓子は珈琲を使った新しいお菓子が芽生えます。どうぞお楽しみに♪

原材料:大手芒 砂糖 小豆 黒糖 珈琲 胡桃 ササニシキの米粉 羽二重粉 寒天 オブラートパウダー/銀箔

佐藤里恵作

 

月兎 げっと

古代中国の神話『月のうさぎ』より月に住む不老不死の霊薬を調合しているという伝説のうさぎのお話。一日一個の林檎で医者いらずの仙薬として健康に良い果物と、ミネラルビタミンが豊富で胃腸の消化を助ける働きのあるジャスミン茶で免疫をあげて風邪をひかない身体に。こちらのお菓子はレメディーのごとく健康も“げっと”していただければ幸いです。

ジャスミン茶の錦玉羹と林檎餡いりの羊羹のハーモニーをお楽しみください。

今年も皆様にとって素晴らしい一年となりますようにお祈り申し上げます。

原材料:大手芒 小豆 砂糖 紅玉りんご ジャスミン茶 寒天 金箔銀箔

工藤綾佳作

 

新春味比べの材料のお話

山芋とは、山芋という大きなカテゴリーの中に「山の芋」「自然薯じねんじょ」「大薯だいじょ:ヤムイモのいも類」があります。

みんな芋だ!別物なのか!それとも仲間なのか!

気になってしまいました。

これらは「山の芋」のカテゴリーの中に存在しているということなのです。

ということは、仲間!

3つのお芋はお友達ということになります。

ヤマノイモ科ヤマノイモ属つる性多年草それぞれの特徴は、

【長芋】

こん棒のように長い。水分が多く粘りは弱め

【大和芋(イチョウ芋)】

いちょうの葉のように末広がりの形。長芋とつくね芋の中間くらいの粘り。アク少な目。

【つくね芋】

丸くて、げんこつのような形。肉質が締まっていて粘り気がかなり強い。

ほうほう!

気になるのが、味です。この3つのお芋をひとつのお菓子にいたしました。本当に微妙なちがいですのでゆっくりと呼吸を整え心を静かにして五感を研ぎ澄まし、お芋に聞く様に、どうぞお味見ください♪

 

ひと月の和菓子【2022師走】

20221202

今月のテーマ

まめいちのクリスマス物語

Merry Christmas ☆彡クリスマスシーズン到来です!チキンにケーキに、大人たちはワインかしら、プレゼントはどうしようかしらね♪わくわくしますね☆彡

みんなにハッピーが訪れますようにと願いを込めて。今年もまめいちのクリスマス物語!はじまりはじまり~

 

100年の眠り

お菓子の国の眠れる森をイメージしてみました。バニラビーンズの香りが吹きぬける甘い森。京都一保堂さんのお抹茶の羊羹にアーモンドプラリネマジパン入りさつま芋あんを入れ、バニラビーンズ入りの錦玉羹をあしらいました。

抹茶に含まれるテアニンは気分をリラックスさせる効果がありアーモンドに含まれるトリプトファンと共に睡眠の質を高めてくれます。バニラに含まれるリナロールは心のリラックス効果をもたらしてくれます。

原材料:大手芒 砂糖 さつま芋 アーモンドプラリネ アーモンドプードル 寒天 バニラビーンズ ディル

20221203

 

サンタ袋 ~未来へのプレゼント~

サンタさんのプレゼント袋にはみんなの夢がぎっしり入っているのだそうよ♪一年に一度夢を届けてくれているんだね。自分の夢をあきらめないで。自分を信じて一歩ふみだしてみよう。勇気というプレゼントは幸せ色に満ちているよ。大和芋あんのこなし製です。

原材料:大和芋 大手芒 小豆 砂糖 ササニシキの米粉 羽二重粉 オブラートパウダー

20221204

 

Lover ~白鳥の湖より~

白鳥の湖では主役のバレエダンサーが純粋なオデットと悪役の黒鳥オディールを一人二役で演じることで知られています。対照的な白と黒。大きな愛で包み込むよう美しく舞う姿を和菓子にしました。

柚子の皮をすりおろして加えた道明寺のお餅に、生柚子をきゅっと絞ったさっぱりとした柚子白あんを絞りました。冬の香りをお楽しみください。

原材料:大手芒 砂糖 道明寺 柚子 竹炭パウダー/金箔   佐藤里恵作

20221205

 

Sweet Dreams 素敵な夢を~くるみ割り人形より~

くるみ割り人形の原作はドイツのE.T.Aホフマンの「くるみ割り人形とねずみの王様」。主人公のマリーと胡桃わりの兵隊さんが、ねずみの王様と戦い勝利してお菓子の国へ招待されます。お菓子の国では敵だったはずのねずみたちとも仲良くにぎやかに過ごしているというお話。

胡桃入りチーズ羊羹に苺とラズベリーの錦玉羹。ふわふわとした苺風味のあんで雪のじゅうたんを、キラキラとしたカラフルな錦玉羹で賑やかで楽しい夢の中のお菓子の国をイメージしてみました。

原材料:大手芒 砂糖 苺 ラズベリー プロセスチーズ くるみ チャービル バルサミコ酢 寒天/金箔銀箔  工藤綾佳作  

20221206

 

まめいちのクリスマス物語 眠れる森のマメ

むかしむかしある国に、「100年眠っていれば王子様が迎えに来てくれる」という噂を信じて100年眠いっているマメというお姫様がおりました。眠りはじめて100年がたったある日のこと。

マメ姫:「100年眠ったのに王子様が迎えに来ないわね~おかしいわね~」

と思い、むくっと起きてお城の外へ王子様を探しに行くことにしました。結構歩いたのですが、王子様らしき人は見当たりません。

それでもあきらめずに歩いていたら、湖が広がっていました。(BGM:チャイコフスキー・白鳥の湖)

そこに一羽の美しい白鳥がなめらかに踊るように泳いでいます。

マメ姫「白鳥さん!お尋ねしたいことがあるのですがちょっとよろしいかしら?」

白鳥さん:踊るように近寄って来て「どうなさいました?」

マメ姫:「王子様を探しているのだけれど、ご存知ありませんこと?」

白鳥さん:「王子様なら先ほどここを通られましたよ!行き先は知っているのでお連れしましょうか?」

と言って下さったので、お言葉に甘えて、白鳥さんの背中に乗りました。すると、着いた所はクリスマスのお菓子の国だったのです。(BGM:チャイコフスキー・くるみ割り人形)

ようこそお菓子の国へ!

甘~い香りがマメ姫をつつみます。生クリームのかかったもみの木に、粉砂糖の雪が舞い落ちています。バニラビーンズの香りが木の間をふわっと吹き抜けてゆきました。そして甘酸っぱいおいしい香りに連れられて歩いて行くと、苺のお菓子を作っている職人さんに出会いました。

その職人さんは「試作中の苺のお菓子を味見してほしい。」と言うので、白鳥さんと一緒に味見しました。とっても美味しく感動したマメ姫は、私もお菓子を作れるようになりたいと思い志願しました。

王子様を探しに来たことなどすっかり忘れて、職人さんからいろいろな美味しいお菓子の作り方を一生懸命に教わりました。

いろいろ作れるようになったマメ姫は、みんながゆっくりとなごみながら、美味しいお菓子を楽しめるカフェがしたい!と思うようになりました。

白鳥さんと職人さん、隣町のミタ姫様とヒノ姫様に声をかけて、サクの王子様にお店づくりをお願いし、ウメの王子様に事業計画書の作成のご協力をお願いし、ワクワクカフェづくりの準備に取り掛かりました。

 

マメ姫の【事業計画書】

実施場所:メディアテーク周辺

目的:和菓子好きの皆様がゆっくりと楽しみ、心豊かになれるひとときの提供。

【内容】
人の多く集まるメディアテーク周辺、定禅寺通りの景色を楽しみながら穏やかなひとときを過ごせるようすっきりとした店内。カフェを楽しんだあとは、ゆったりとお買い物ができるよう販売スペースを充実。

【効果】
現在営業している店とは、馬車で5分ほどの距離であり、店舗の混雑状況によっては、姫たちそして自ら行き来するなど経営の効率化を図ることができるとともに、店舗を複数出店することで認知度の向上を図る。

【取扱商品・サービス内容】

●和素材を組み込んだ味のハーモニーを楽しむ月替わりの和パフェ
●毎月テーマに合わせて替わる創作和菓子とお抹茶
●毎月テーマに合わせて替わる創作和菓子の販売
●地元野菜と和素材の焼菓子の販売

 

【セールスポイント】

みんなが笑顔にワクワクする新しい感覚の和のお菓子の発信カフェ。

ご来店された方はみんなパワーチャージできるパワースポット!

 

来春オープン予定です!皆様お楽しみに~ メリークリスマス☆彡

 

20221202

ひと月の和菓子【2022霜月】

20221101

今月のテーマ

「それはFEEL これもFEEL」

2022京菓子展からのFEEL「お菓子ってアートやん」「感じるままに相手が美しい食べたいと思える」「コンセプトがいかに新しいか」「造形の美」「独創性」。

感じることから和菓子まめいちは次のステップへと進みます。

 

Harvest ―実り―

京番茶のスモーキーな香りの浮島にあんぽ柿の羊羹を忍ばせ胡桃餡と胡桃羊羹で包みました。たわわに実る柿の木のように様々に沢山の実りとなりますように願いを込めました。

おかげさまで京菓子展入選のさせていただき、製作していく中で沢山の学びがありました。挑戦することで大きな「実り」となりました。これからも感謝の気持ちで精進してまいります。

原材料:大手芒 砂糖 黒糖 薄力粉 上用粉 胡桃 卵 あんぽ柿 松の実 京番茶 藻塩 寒天   佐藤里恵作

火守 ―Homori―

11月19日裏千家では「銀杏餅」という主菓子で宗旦忌の茶会が開催されます。今日庵に三代目家元 千宗旦が植えたとされる大銀杏の木があります。何度も大火に見舞われた京都でありますが、この銀杏の木が、今日庵が燃えるのを防いだと伝えられており、裏千家の守り神として崇め奉られております。

京人参と銀杏の錦玉羹とこし餡羊羹のハーモニーをお楽しみください。

原材料:小豆 砂糖 黒糖 京人参 翡翠銀杏 藻塩 寒天

 

初志 ―Shoshi kantetsu―

「蓮華の五徳」という仏教の言葉があるということを知りました。菓子は「除災招福」あらゆる災いを除き福を招き入れるものであります。

皆様に幸せが訪れる菓子づくり。その為には、五徳の蓮の花になる前の蓮の種の部分から。菓子づくりの精神を磨いて行こうという思いを込めて蓮の種をイメージしてみました。

蓮根入りこし餡を大徳寺納豆入りのこなしで包みました。

原材料:小豆 砂糖 大手芒 蓮根 大徳寺納豆 ササニシキの米粉 羽二重粉 オブラートパウダー

 

亥の子餅 ―Celebration―

亥の子祝の行事菓子。イノシシは多産であることから子孫繫栄への願いや亥は陰陽五行説で「水」にあたることから火難を逃れるという信仰があり、茶の湯の世界でも、「炉開き」の菓子として用いられています。

「源氏物語」にも登場する歴史の深い菓子で一服お茶にしませんか♪

原材料:小豆 砂糖 栗 白玉粉 片栗粉 黒胡麻

 

京菓子展によせて

皆様のおかげさまで、今年も京菓子展チャレンジすることができました。
まめいちスタッフ佐藤里恵、まめいちこと幾世橋陽子、入選作品に選んでいただき、授賞式に参加させていただくことができました。
今回は入賞とまでいかず、この意味を感じたい。今の私に何が必要なのかを知りたい。その思いで製造部スタッフ3人組で京都へ行って参りました!

京都は伝統と革新の都。

今回の旅で改めて、何か芯がありながらも絶えず変わってゆく。そういうものを感じました。

今回の京菓子展のいろいろな分野の先生からの審査における評価も「コンセプトがいかに新しいか!」「京菓子における、型の部分から、どの様に独創性を見出しているか」という所のご指摘が多かったように思いました。

うおーーーーーーー!ハードル上がってるーーーーーーーーーーーーーーー!!!

これはもう今まで通りのことをしていたのでは、まめいちは埋もれてしまう(焦り!!)そう感じざるを得ません!

さー!どうしたらいいのか!
有難いことに、師匠の太田さんとじっくりお話させていただくことができました。
太田さんのワールドワイドな菓子の世界と相手を思った菓子づくりの奥深さを感じ、涙があふれてきました。
そして、、、

その後まめいちは「感じる」という事の奥深さを肌身で感じてしまうこととなったのです。。。

それは、茶の湯。茶道文化についてです。

 

さかのぼります事、老松修行時代。

先輩方はすでに茶道を当たり前のことのようにされていて、私は「やりなさい」と言われていないからやらなくていいのだと思って働いていました。喫茶部門で働いている時も必要性を感じながらも見よう見まねでこういう風にすればいいのかなと、教えられるままにお茶事のお手伝いをしていました。

仙台に帰ってきてやっぱりやった方がいいのかな?とザックリ思い、初心者向けの茶道教室に半年楽しく通いはしたものの忙しさにかまけてそのままになっておりました。

6年前、太田さんに「茶道ってやっぱりやった方がいいんですかね?」と聞いたところ「感じたらええねん♪」と。私はまたも「やりなさい」と言われなかったからいいんだ!と思いそのままにしていました。
そして1年前、これからどうしていったらいいかわからなくなり、太田さんに、どうしたらいいのかたずねてみました。
沢山のアドバイスの中に「岡倉天心のThe Book of Tea読んでみはったらええで~」とあったのですが、その時は、この本は茶道の手引書だから一番最後にしようと、読んでいませんでした。

今回、京菓子展入選のお知らせをいただき、太田さんにお会いできる切符を手にしたまめいちは、最後にしていたミッション、茶道のお話「The Book of Tea」を読み始めました。

するとどうでしょう!

茶道の手順などの手引書と思っていたのは間違えで、「お茶」というものが、いかに日本文化の集約であり、「お茶」に日本人の精神や美意識が詰まっているという事が書かれた哲学書であったのです!

 

やっぱりやった方がいいのではないかと思ったまめいちは、今回もまた太田さんに「茶道ってやった方がいいんでしょうか?」とたずねました。すると答えはやはり同じ「感じたらええねん♪」

そっかーヽ(^o^)丿☆彡やっぱり感じたらええんやーーーーーーーーーーーヽ(^o^)丿☆

と浮かれたのですが、老松修行時代から大変お世話になっている老松総務部長の聖子さんにかくかくしかじか話してみました。すると!!!なんと!!!聖子さんは

「太田さんは、やりなさいって言わへんよお~」

とおっしゃたのです。強要しないと言うのです。

そそそうかーーー(ToT)そうだったのかーーー(ToT) 茶道というものは「やった方がいい」と、言われてやるものではないのだーーー(ToT)

 

まめいち!目が覚めました!!!

まめいちは、随分と遅れをとってしまいましたので、ここで決意しました!

茶道千日回峰行!

千日毎日茶道をします!もし、一日でもさぼったら、丸坊主にします!

面白庵小谷さんに毎週木曜日にお稽古もお願いしました!

基本を身につけ、想像の翼を大きく大きく広げたい!そう強く思うまめいちなのであります!!!

 

今月のテーマは「FEEL!」京都の食材を感じてお菓子にしてみました。

 

20221102

ひと月の和菓子 【2022 神無月】

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今月のテーマ:フェルメール

2022年10月8日(土)~11月27日(日)までドレスデン国立古典絵画館所蔵「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」が宮城県美術館にて開催されます!

絵画展を100%楽しみたいあなたのために「本業まめいちの招き猫、裏稼業YouTuberにゃん吉」が、見どころをページの最後で解説しております。

 

ポワンティエ 光と静寂

ポワンティエ。消え入りそうな光の輝き。フェルメールの作品を通して見られる黄色味を帯びたやわらかな光を柚子の錦玉羹で、フェルメールブルーの鮮やかで独特な深い青はバタフライピーの天然の色素で表現しました。和菓子をじっと見つめてフェルメールだったらどこにポワンティエするだろうと想像するのも楽しいかもしれませんね。

ほんのりとシナモン香るさつま芋餡入りのホワイトチョコ羊羹です。

原材料:さつま芋 砂糖 大手芒 ホワイトチョコ  柚子  生クリーム  紅茶のお酒  シナモン  バタフライピー  寒天 /銀箔         

佐藤里恵作

 

オランダの光

オランダ絵画の巨匠フェルメールやレンブラント、ゴッホ、ライスダール、ハブリエル・メツー、カスパル・ネッチェル、ヤン・ステーン。オランダの光が生み出した天才たち。

オランダの光の成分は、太陽光と拡散と反射。「湖の水面」と「雲」。水による光の反射によってつくられるオランダの光。この光を求め、モネをはじめとする大勢の画家がオランダに憧れて訪れたといいます。オランダの独特な光を雲の中に表現してみました。

ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ餡とマシュマロ入りのこなし製です。

原材料:大手芒 砂糖  マカダミアナッツ ヘーゼルナッツ マシュマロ 寒天 片栗粉 水飴

 

フェルメールの食卓

フェルメールの作品に「牛乳を注ぐ女」という名画があります。この絵をじっと見つめていると、ちょろちょろと牛乳を注ぐ音まで聞こえて、パンプディングでも作ろうとしているのかしら、いい香りまでしてきます。フェルメールも絵をかきながらつまみ食いもしたかしら。

カンパーニュのようなパンを黄身時雨で作ってみました。ブランデー漬けサルタナレーズンとマロングラッセこしあん入り。ほんのりどこかで山椒が香ります。

原材料:大手芒  砂糖   小豆  サルタナレーズン  マロン  卵黄  ブランデー  ヴァローナココア  黒糖  ケシの実  山椒   

まめいち&工藤綾佳合作

 

 

にゃん吉の見どころ解説

こんにちは!まめいちの招き猫にゃん吉です!いつもまめいちをご贔屓くださり誠にありがとうございます!

今回は裏の顔YouTuberにゃん吉が、皆様をフェルメールの世界へご案内させていただきますにゃ☆彡

 

ヨハネス・フェルメール 1632年10月31日オランダのデルフトという町で生まれました。

日本では寛永9年江戸時代前期ですにゃ!

フェルメールの生きた17世紀のオランダは黄金時代。経済的に繁栄し、商人をはじめとする市民の生活が豊かになり、一般市民の家庭にも当然のように絵画が飾られて文化が成熟していった時代でした。

人々が画家に要求する絵も、宗教画から何気ない日常に寓意(ぐうい)と言って、教訓・教えを込めたものに変わってゆきました。

 

寓意の例えをご紹介するにゃ!絵の中に頭蓋骨が描かれていれば…人生のはかなさを表現しているにゃ。

天秤が描かれていれば…善悪をはかっているにゃ。

キューピッドは…愛の象徴ということなんだにゃ!

今回の展覧会の見所も、フェルメールの絵画「窓辺で手紙を読む女」の復元によって現れたキューピッドなのだにゃ!

 

現存しているフェルメールの作品は30数点と少ないけれど、どれも考え抜かれた構図になっています。人物、そしてその視線、情景のトリミング、配置に角度。全てにおいて演出に成功しています。

様々なテクニックによって構成されているにも関わらず自然なやわらかさは、一体どういうことなのだろうと興味が深まります。

私たちはフェルメールに何かだまされているのではないか…という不思議な気持ちにさせられるのも魅力のひとつです。

 

フェルメール1平面がいかにも奥行きがあるかのように見える遠近法の活用カメラ・オブスキュラ。

定点観測のための秘密の道具。ピンホールカメラと同じ原理の光学機器誰もが使えば上手く描けるわけではなく、厳密な絵作りのためのアイテムのひとつです。

 

フェルメール2光の魔術師。光が反射している部分を白い点々で描写ポワンティエ。

注がれる牛乳の光の部分やパンの上の無数の点。

 

フェルメール3・「青」にこだわる。際立つ独特な青、フェルメール・ブルーのラピスラズリ。

純金と同じほど高価な宝石を砕いて作った絵の具。「海を越えてきた青」「ウルトラマンブルー」と呼ばれ普通の絵の具の100倍の値がついていました。

 

フェルメール4・分厚いカーテンなどを主題の前に配して奥行きを強調ルプソワール。

見ている側が秘密の空間を覗き見していると感じさせられる。カーテンの向こう側に真実が隠されているということを暗示しています。

 

20221004

ひと月の和菓子【2022長月】

20220901

今月のテーマ

枕草子~清少納言 心の風景~

京都・有斐斎弘道館 京菓子展2022 手のひらの自然。今年のテーマ『枕草子』は清少納言により執筆された随筆です。
 
京菓子展チャレンジのため『枕草子』と向き合いました。堅苦しい随筆なのだろうと思っていたのですが、読んでみると、あら!面白い!1000年前のユーモアあり、ロマンありの貴族の暮らしを覗き見ることのできる随筆なのだ!と知ることができました。
 
昔と今と変わったところあり、変わらぬところあり。

エモーショナルemotional

秋はセンチメンタル。夕ぐれは愛おしいものを浮き上がらせて心にしみてきます。清少納言の心の中の風景が手に取るように感じられるのは、千年前と変わらぬ風景がここにあるからですね。千年前と変わらないのかと思い馳せて、またしみじみとしてしまいます。

こなしで秋の夕ぐれを。中の刻み栗入りつぶあんで夜の音をイメージしてみました。

原材料:大手芒 北海道大納言 砂糖 栗 ササニシキ米粉 羽二重粉 金箔

第一段より

秋は、夕ぐれ 夕日のさして、山のはいと近うなりたるに、烏の、寝どころへ行くとて三つ四つ、二つ、三つなど、飛びいそぐさへ、あはれなり まいて、雁などの列ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとおかし 日入りはてて 風のおと、虫の音など、はたいうべきにあらず (第一段)

秋は夕ぐれね。真っ赤な夕陽が山の黒い稜線に映えて、ねぐらに帰るカラスが三つ四つ二つ三つと、と飛んでいくわびしさがいいわね。まして雁が空の彼方を並んで飛んでいく光景は、とても趣があって本当にいいわよね。日が暮れた後の、風の音や虫の声を聞く面白さは言うまでもないわね。

 

 

皓皓kou-kou

牛車の牛が一歩一歩踏み出すたびに跳ね上げる水を、水晶が割れ飛び散ったようにとらえた描写は鮮明に情景を映し出して、まるでスローモーションで見ているような気持ちにさせてくれます。闇の中を清らかに白く光り輝く様をイメージしてみました。

黒胡麻の羊羹で闇を、満月はプルーン入りのきなこピーナッツあん、割れて飛び散った水晶は砕いた透明な錦玉羹で表現してみました。

原材料:黒胡麻 砂糖 落花生 きなこ プルーン 大手芒 寒天 銀箔

作・佐藤里恵

第二一五段より

月のいとあかきに 川を渡れば 牛の歩むままに 水晶などのわれたるように 水のちりたるこそおかしけれ (第二一五段)
月がとても明るい夜に、牛車で川を渡りました。車の中から牛を見ていたら足で水面を蹴るたびに水が飛び散り、まるで細かく割れた水晶がキラキラ輝いているようでとても美しい光景でした。

 

 

ほおばり餅seaweed

清少納言様より承りまして、わかめをたっぷりのせて、あみえびもぱらりとかけて、ほおばると口がモゴモゴするように調製いたしました。清少納言様は今でもワカメを見るたびにワカメ事件を思い出してぷぷっと思い出し笑いをしてしまうそうですよ。

「則光様ったら、本当にバカメ!」

原材料:道明寺 砂糖 小豆 わかめ あみえび ライスパフ オブラートパウダー

里にまかでたるにの段 (第八十段)

ワカメ事件

清少納言、里帰りしている時の事元旦那の橘則光には、やはりがっかりしたエピソード。(則光は体育会系でしたので文学的なことはまるで理解できない男で、離婚の原因のひとつとも言われています。)

いろいろな人が訪ねてくると厄介なので、今回居場所はごく親しい人にしか教えていなかった。清少納言のことが好きな藤原斉信は、清少納言の居場所を知りたかった。

そこで、斉信は、離婚したとはいえ、則光なら知っているだろうと詰め寄る。則光は清少納言に固く口留めされていたので居場所は言えない。そこでとっさに食卓の上にあったわかめなどの海藻を口にほおばりモゴモゴして答えをはぐらかして逃れた。

そんなことがあったと則光は清少納言に得意顔で話した。しばらくして、再び斉信に清少納言の居場所をしつこく聞かれたため、則光は清少納言に手紙を書き「教えてもよいか」と尋ねた。

清少納言はそれに対して、海藻を紙に包んで送って返事とした。「前回と同じように海藻を食べて黙っていてね」という意味です。

ところが、則光は意味が分からず、後日、「あれはどういう意味だったの?」聞くものだから則光にはあきれ果ててしまった。というお話。

 

 

心の関所 believe in yourself

この世で一番通り抜けが難しい関所があるとしたら、それは自分自身の心の関所かもしれません。「自分を信じて 仲間を信じて」勝手に自分で閉ざしてしまっている関所を突破してください。素晴らしい世界があなたを待っています。

この菓子は、ピスタチオという関所をめくると、クランベリーやレーズン、ブルーベリーの秋色の美しい錦玉羹が現れる、さつま芋羊羹です。是非めくってお召し上がりください♪

原材料:さつま芋 砂糖 ピスタチオ クランベリー レーズン レモン グリーンレーズン ゴールデンレーズン ワイドブルーベリー 寒天

 

仙台育英高校甲子園優勝おめでとうございます!

白河の関を越えましたね✩

 

第百六段より

枕草子 関は、の段 (第百六段)にも白河の関があげられています。関とは何だろうということですが、関とは関所。昔、重要な道路や国の境に設けて旅人の出入りや荷物を調べた役所のことです。転じて、容易に通り抜け出来ない所。難関の意味に使われたりします。

※日本では、奈良時代から設けられ、平安時代から室町時代にかけては、朝廷や幕府、荘園領主などが通行料を取る目的であちこちたくさんの関所がありました。

 

20220902

ひと月の和菓子【2022葉月】

20220802

今月のテーマ 中国四千年の歴史

京都・有斐斎弘道館 京菓子展2022 手のひらの自然。今年のテーマは『枕草子』

清少納言はどうしてこんなに優れた表現ができるのだろうと考えていると、平安時代の才女たちの学習ツールは中国にルーツがあるのだとわかってきました。頻繁に登場する白居易の「白氏文集」。こちらを紐解きながら枕草子の序章を読むように古の中国へと旅に出かけましょう。

長月は「枕草子」のお菓子をお作りいたします。

 

 

卯時の杯

白居易はお酒が大好きであったようで、詩の中にお酒のテイストを沢山表現しています。「緑色をした飴のようにとろりとした飲み口の酒」

酒飲み友達を誘う詩もあります。内容は「緑の酒が、かめの台にはりつくほどに飴のようにとろりとしたうまい酒ができたから、詩句にうたってお誘いしてみようかな。朝の杯を挙げて一緒に酔いたいなあ」と詠んでいます。この詩のお酒は竹葉青酒という、竹の葉を漬けてつくられる薬酒。血を養う効能があると言われています。

竹葉青酒とジャスミン茶とライチのお酒の錦玉羹です。

卯時とは:十二時辰の名称で、朝の5時から7時の頃を指します。朝の酒杯、気持ちよさそうですね♡

原材料:砂糖 竹葉青酒 ライチ ジャスミン茶 緑茶 寒天 

 

僥倖の五色(ぎょうこうのごしき)

幸せになりたいと願う気持ちは四千年前も今も変わりません。僥倖とは偶然に得る幸せの事です。偶然の幸せなんて滅多にないですよね。と思われるかもしれませんが、僥倖の五色を心に秘めれば、向こうから幸せがどんどんやってきます

黄色:好奇心

赤色:冒険する心

青色:失敗しても努力する心

緑色:どんなことも楽しむ心

白色:柔軟な心

心の迷路に迷ったら、この五色を思い出してみてください。

月餅餡入りのこなし製です。月餅。中国の菓子で、昔はお供え物として中秋節に食べられていました。月に見立てて丸く平たい形をしています。

原材料:北海道小豆 砂糖 大手芒 黒胡麻 胡桃 ごま油 蜂蜜 シナモンパウダー ごま油 ササニシキ米粉 羽二重粉 /金箔 

 

麻球マーチュウ

麻球。中国で考案された点心料理のひとつです。漢の時代、漢の文帝が、戦いに勝利した事を祝う行事として「元宵節」が行われていました。その行事食の中に「元宵」という団子があり、それが麻球、あんこを餅で包んで胡麻をまぶして揚げた菓子、ゴマ団子の由来ではないかと言われています。

漢の時代とサラッと言いましたが、紀元前206年~西暦220年の遥か遥か昔のことです。当然のこと、砂糖や植物油は存在していないという時代なので、油で揚げるのではなく、茹でていた説が有力のようです。

甘味は蜂蜜や麦芽糖(水あめ)などであったでしょうか?

小豆は漢の時代にはあったと言うことなので、米のとぎ汁に米麴を加えて小豆を入れ甘く煮詰めて餡にしたのでしょうか?想像するとワクワクします

原材料:北海道大納言 砂糖 蜂蜜 金胡麻 上用粉 羽二重粉 葛粉

 

杏仁豆腐(シィンレェンドォゥフゥー)

杏仁豆腐。中国発祥のデザートで薬膳料理の一種です。喘息の治療薬である杏の種の中の「仁」杏仁の粉末で苦味を消すために甘くして服用しやすくした料理です。

杏仁豆腐とパイナップルのレモン錦玉羹です。杏仁豆腐にかかせないクコの実も添えました。

クコの実は抗酸化物質を豊富に含んでいて、免疫力を高めてくれます。喉がいたくて体調がすぐれないときはに効果的です。ちなみに、杏仁のアロマ効果は疲れた脳や心を癒すと言われています。なんと素晴らしいデザートなのでしょう♡

原材料:砂糖 パイナップル クコの実 ディル 牛乳 生クリーム 杏仁 レモン 寒天 脱脂粉乳 粉末油脂 

 

 

葉月のまめいち通信

今月のテーマは「中国四千年の歴史」

京都・有斐斎弘道館 京菓子展2022 手のひらの自然。今年のテーマは『枕草子』。

『枕草子』は、平安時代中期に一条天皇の中宮定子に仕えた女房、清少納言により執筆された随筆です。枕草子から受け取るイメージをカタチにして、皆さんも京菓子展チャレンジしませんか?

 

で、何故に中国四千年の歴史?

 

春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる

(何と言っても春は夜明けよ。空がだんだんと白んできて やがて山際がほんのり明るくなって 紫がかった雲が細くたなびいている)

あまりにも有名な文章です。有名すぎて深く理解しようとすることすら思いつかずにいましたが、今回和菓子にするため、細かく向き合うと、その描写力に吸い込まれてしまいます。

 

自然、人物、音、香り…読み進めていくと、まるで自分が清少納言のレンズを通して見ているような感覚になり、動くもの、光るもの様々にリアルタイムでクリアに感じ取ることができます。

どうして、こんなに優れた表現ができるのだろうと読み進めていきますと、ちょいちょい現れる【白居易】の白氏文集。

白居易???っとなるのがまめいちさんのいい所!ここから遠回りしますよ!どうぞお付き合いください!

 

白居易(772∼846)唐代中期の詩人。

文芸に深い関心がある一条天皇の宮廷では、白居易の詩がよくよまれていたそうです。

よくよまれていた!という事は、宮廷では“白居易ブーム”という事になります。白居易の素敵なフレーズを真似して笑いあうなんて光景も目に浮かびます。

 

まめいち流の理解法の一例として:

「全集中」「水の呼吸」鬼滅の刃ファンならピンとくる!

「水色のマフラーにコート」冬のソナタファンならピンとくる!

「横断歩道を4人で渡る横から写真」ビートルズファンならピンとくる!

中宮定子様も清少納言も“白居易ファンならピンとくる!

で、相当読み込んでいたに違いありません。

 

そのことがよく表れているのがこちらの段です。

雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子まゐりて、炭櫃に火をおこして、物語などしてあつまりさぶらうに、

「少納言よ。香炉峰の雪はいかならむ」と仰せらるれば、御格子上げさせて御簾を高く上げたれば、笑わせたまふ

雪の降り積もった日の事。せっかくの美しい雪景色にもかかわらず、女房たちは格子を締め切って、火鉢を囲みいろいろとお話をしていました。すると定子様が突然「清少納言よ、香炉峰の雪はどうであろう?」とおっしゃったのです。 香炉峰とは中国の山の名前です。

白居易の詩に「遺愛寺の鐘は枕をそばだてて聴き 香炉峰の雪は簾をかかげて看る」とありますので

格子を上げさせて、それから簾を高く巻き上げて、外の雪が見えるようにしました。定子様はわが意を得たり!というお顔でにっこりなさいました。白居易ファンならしびれるひとコマですね。

 

白居易のブームはもちろん中国で広がりました。中国の詩史に大きく流れを変えた詩人。新しい爽やかな風を送り込んだ詩人であると紹介されています。この白居易の詩、これまた描写力がすごごごごいのです。

 

  • 【長恨歌:玄宗皇帝と楊貴妃の物語】から、楊貴妃の美しさを「眸(ひとみ)を廻らしひとたび笑えば百媚生じ」

意味:くるっと振り向いてにっこり笑えば匂いたつその艶やかさ♡

  • 【新楽府:胡旋女】から 胡旋舞とは連続した急旋回を基調とするダイナミックな回転が魅力の舞。

 

これを白居易の表現は、「心は絃の音に応じ、手は鼓の音に応ずる。雪は風に舞って回り、蓬はまろびつつ舞う。疲れも知らず千回万回はてしなく回り続ける。世に並ぶものなきその速さ。つむじ風さえのろく見える。」

 

中国四千年の歴史からの和菓子たちお楽しみいただけましたでしょうか♡

枕草子までちょっと遠回りしてしまいましたが(汗)

 

来月、長月!

枕草子を和菓子にいたしますのでお楽しみに♪

 

20220801

 

 

 

ひと月の和菓子【2022文月】

 

20220701

今月のテーマ ~万葉集 七夕伝説~

一年に一度逢える。心から湧き上がる喜び。

彦星は舟を出し、織姫星は天の川の川岸で今か今かと待ちわびる。

 

~七夕伝説~

織姫星

我が背子に うら恋ひ居れば 天の川 夜舟漕ぐなる 楫の音聞こゆ

詠み人 柿本人麻呂

意味:私の夫を恋しく思っていたら、天の川を漕ぎ渡る舟の楫の音が聞こえる。まもなく逢えるという嬉しい気持ち。心高鳴る織姫星をイメージしてみました。

ラズベリーの甘酸っぱい錦玉羹に木の芽を添えました。

原材料:砂糖 ラズベリー ワイルドブルーベリー 国産レモン 寒天 木の芽 /金箔銀箔 

 

比故保思 ひこぼし

年にありて 一夜妹に逢ふ 比故保思も 我にまさりて 思ふらめやも

詠み人知らず

意味:一年に一夜だけ妻である私に逢う彦星も私以上に強く私を思っているでしょうか。不安に思う女ごころが詠まれています。

万葉集に彦星は、「牽牛」「男星」「比故保思」などと詠まれています。なぜ、比故保思の字を当てたのでしょう…。気になるところです。

梅酒の効いた錦玉羹にミントとバタフライピーの錦玉羹を添えて、白あんを入れ茶きん絞りに仕上げました。冷たく冷やしてお召し上がりください。

ミントの葉の爽快感が、比故保思のお気持ちですからご安心くださいませ。

原材料:大手芒 砂糖 梅酒 ミント バタフライピー 金箔銀箔

佐藤里恵作

 

天の衣 あまのころも

七夕まつりは、もともと日本の神事であった「棚機(たなばた)」と、織姫と彦星の伝説と、奈良時代に中国から伝来した「乞巧奠(きっこうでん)」という行事が合わさったものと言われております。

「棚機」とは古い日本の禊の行事で、穢れのない乙女が清い水辺にある機屋にこもり、神様のために心を込めて着物を織り棚に供え、神様を迎えて、豊作を祈り、無病息災を祈る行事でした。その時に使われたのが「棚機」という織り機です。この行事はやがて仏教の伝来によりお盆を迎える準備として7月7日の夜に行われるようになりました。

「七夕」を「たなばた」と当て字で読むのはここからきているとも言われています。神様のために心を込めて乙女が織った着物をイメージしてみました。

赤えんどう入りこしあんの求肥のお餅です。

原材料:北海道小豆 砂糖 赤えんどう 白玉粉 片栗粉 藻塩 

 

さざれ石

さざれ石とは、細かい石・小石のこと。それを、星屑の集まった流れ天の川に思いを寄せて、七夕の日「さざれ石」と言われれば、天の川と連想する美しい文化です。

信濃なる 千曲の川の さざれ石(し)も 君し踏みてば 玉と拾はむ

詠み人知らず

意味:信濃の千曲川の小石でさえ、あなたが踏まれた石ならば、玉と思って拾います。

この歌は、千曲川を詠んだ歌ですが、天の川の岸の織姫と重なって、織姫が拾った宝物の小石はどんなであったろうとイメージしてみました。

黒糖生姜のねき餡入りの黒胡麻こなし製です

原材料:大手芒 砂糖 黒胡麻 黒糖 北海道小豆 生姜 ササニシキ米粉 羽二重粉 藻塩

 

万葉集 七夕伝説

中国から七夕伝説が伝わった奈良時代、万葉集には130首以上の七夕にまつわる歌が詠まれています。

どちらが天の川を渡って会いに行くの?と疑問に思いましたが、万葉集には彦星から説が有力です。妻問婚と言って、男性が妻の住むところに通う時代ということもあり、日本では男性が舟を出す。ことになったのでしょう。

彦星と織姫星の逢瀬を自分自身と重ね合わせ、ふたりが今年も無事に会えますようにと願うのは、万葉の時代も、今も、変わらないようです。万葉集の中の七夕を詠んだ歌を、少し見てみましょう。

 

霞立つ 天の川原に君待つと い行き帰るに 裳(も)の裾(すそ)濡れぬ   …山上憶良

意味:霞が立つ、天の川原であなた様がいらっしゃるのを待って、川原を行ったり来たりして、裳の裾が濡れてしまいました。織姫星のそわそわする気持ちを詠んでいます。

 

天の川 楫(かじ)の音聞こゆ 彦星と織女(たなばたつめ)と 今宵逢ふらしも  …柿本人麻呂

意味:今夜は七夕の夜なんですね。楫を漕いでいるのは彦星です。彦星が天の川を舟で渡って織姫星に逢いにゆくのですね。今年は逢えるようですね。と希望を感じさせる歌です。楫を漕いでいる音が聞こえてきそうです。

 

青波に 袖さへ濡れて 漕ぐ舟の かし振るほとに さ夜更けなむか  …大伴家持

意味:青波に着物の袖さえ濡らしながら漕ぐ船を、杭を振り下ろして水中に立て、つなぎとめている間にも夜が更けてしまうだろうか。時間が足りないと焦る気持ちを星に託しています。

 

逢いたくてソワソワしている、逢えるという希望と、不思議と一瞬、不安がよぎる。そんなところも、今と変わらないですね。

時代が変わっても、愛おしく思う気持ちの本質はやはり同じですね。

古人も、せつない気持ちを夜空に打ち明けてなぐさめられていた特別な日。七月七日七夕の夜。ということなのでしょう。みんな一緒ね。と、ちょっと心強い気持ちになったりします。

 

みなさんは、誰を思って、七夕の夜、空を見上げますか?

きっと素直に願えば、キラキラ金銀お星さまが降ってきて、その願いは叶うでしょう。

 

20220702

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