2022-12-04 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ
今月のテーマ
まめいちのクリスマス物語
Merry Christmas ☆彡クリスマスシーズン到来です!チキンにケーキに、大人たちはワインかしら、プレゼントはどうしようかしらね♪わくわくしますね☆彡
みんなにハッピーが訪れますようにと願いを込めて。今年もまめいちのクリスマス物語!はじまりはじまり~
100年の眠り
お菓子の国の眠れる森をイメージしてみました。バニラビーンズの香りが吹きぬける甘い森。京都一保堂さんのお抹茶の羊羹にアーモンドプラリネマジパン入りさつま芋あんを入れ、バニラビーンズ入りの錦玉羹をあしらいました。
抹茶に含まれるテアニンは気分をリラックスさせる効果がありアーモンドに含まれるトリプトファンと共に睡眠の質を高めてくれます。バニラに含まれるリナロールは心のリラックス効果をもたらしてくれます。
原材料:大手芒 砂糖 さつま芋 アーモンドプラリネ アーモンドプードル 寒天 バニラビーンズ ディル
サンタ袋 ~未来へのプレゼント~
サンタさんのプレゼント袋にはみんなの夢がぎっしり入っているのだそうよ♪一年に一度夢を届けてくれているんだね。自分の夢をあきらめないで。自分を信じて一歩ふみだしてみよう。勇気というプレゼントは幸せ色に満ちているよ。大和芋あんのこなし製です。
原材料:大和芋 大手芒 小豆 砂糖 ササニシキの米粉 羽二重粉 オブラートパウダー
Lover ~白鳥の湖より~
白鳥の湖では主役のバレエダンサーが純粋なオデットと悪役の黒鳥オディールを一人二役で演じることで知られています。対照的な白と黒。大きな愛で包み込むよう美しく舞う姿を和菓子にしました。
柚子の皮をすりおろして加えた道明寺のお餅に、生柚子をきゅっと絞ったさっぱりとした柚子白あんを絞りました。冬の香りをお楽しみください。
原材料:大手芒 砂糖 道明寺 柚子 竹炭パウダー/金箔 佐藤里恵作
Sweet Dreams 素敵な夢を~くるみ割り人形より~
くるみ割り人形の原作はドイツのE.T.Aホフマンの「くるみ割り人形とねずみの王様」。主人公のマリーと胡桃わりの兵隊さんが、ねずみの王様と戦い勝利してお菓子の国へ招待されます。お菓子の国では敵だったはずのねずみたちとも仲良くにぎやかに過ごしているというお話。
胡桃入りチーズ羊羹に苺とラズベリーの錦玉羹。ふわふわとした苺風味のあんで雪のじゅうたんを、キラキラとしたカラフルな錦玉羹で賑やかで楽しい夢の中のお菓子の国をイメージしてみました。
原材料:大手芒 砂糖 苺 ラズベリー プロセスチーズ くるみ チャービル バルサミコ酢 寒天/金箔銀箔 工藤綾佳作
まめいちのクリスマス物語 眠れる森のマメ
むかしむかしある国に、「100年眠っていれば王子様が迎えに来てくれる」という噂を信じて100年眠いっているマメというお姫様がおりました。眠りはじめて100年がたったある日のこと。
マメ姫:「100年眠ったのに王子様が迎えに来ないわね~おかしいわね~」
と思い、むくっと起きてお城の外へ王子様を探しに行くことにしました。結構歩いたのですが、王子様らしき人は見当たりません。
それでもあきらめずに歩いていたら、湖が広がっていました。(BGM:チャイコフスキー・白鳥の湖)
そこに一羽の美しい白鳥がなめらかに踊るように泳いでいます。
マメ姫「白鳥さん!お尋ねしたいことがあるのですがちょっとよろしいかしら?」
白鳥さん:踊るように近寄って来て「どうなさいました?」
マメ姫:「王子様を探しているのだけれど、ご存知ありませんこと?」
白鳥さん:「王子様なら先ほどここを通られましたよ!行き先は知っているのでお連れしましょうか?」
と言って下さったので、お言葉に甘えて、白鳥さんの背中に乗りました。すると、着いた所はクリスマスのお菓子の国だったのです。(BGM:チャイコフスキー・くるみ割り人形)
ようこそお菓子の国へ!
甘~い香りがマメ姫をつつみます。生クリームのかかったもみの木に、粉砂糖の雪が舞い落ちています。バニラビーンズの香りが木の間をふわっと吹き抜けてゆきました。そして甘酸っぱいおいしい香りに連れられて歩いて行くと、苺のお菓子を作っている職人さんに出会いました。
その職人さんは「試作中の苺のお菓子を味見してほしい。」と言うので、白鳥さんと一緒に味見しました。とっても美味しく感動したマメ姫は、私もお菓子を作れるようになりたいと思い志願しました。
王子様を探しに来たことなどすっかり忘れて、職人さんからいろいろな美味しいお菓子の作り方を一生懸命に教わりました。
いろいろ作れるようになったマメ姫は、みんながゆっくりとなごみながら、美味しいお菓子を楽しめるカフェがしたい!と思うようになりました。
白鳥さんと職人さん、隣町のミタ姫様とヒノ姫様に声をかけて、サクの王子様にお店づくりをお願いし、ウメの王子様に事業計画書の作成のご協力をお願いし、ワクワクカフェづくりの準備に取り掛かりました。
マメ姫の【事業計画書】
実施場所:メディアテーク周辺
目的:和菓子好きの皆様がゆっくりと楽しみ、心豊かになれるひとときの提供。
【内容】
人の多く集まるメディアテーク周辺、定禅寺通りの景色を楽しみながら穏やかなひとときを過ごせるようすっきりとした店内。カフェを楽しんだあとは、ゆったりとお買い物ができるよう販売スペースを充実。
【効果】
現在営業している店とは、馬車で5分ほどの距離であり、店舗の混雑状況によっては、姫たちそして自ら行き来するなど経営の効率化を図ることができるとともに、店舗を複数出店することで認知度の向上を図る。
【取扱商品・サービス内容】
●和素材を組み込んだ味のハーモニーを楽しむ月替わりの和パフェ
●毎月テーマに合わせて替わる創作和菓子とお抹茶
●毎月テーマに合わせて替わる創作和菓子の販売
●地元野菜と和素材の焼菓子の販売
【セールスポイント】
みんなが笑顔にワクワクする新しい感覚の和のお菓子の発信カフェ。
ご来店された方はみんなパワーチャージできるパワースポット!
来春オープン予定です!皆様お楽しみに~ メリークリスマス☆彡
2022-11-08 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ
今月のテーマ
「それはFEEL これもFEEL」
2022京菓子展からのFEEL「お菓子ってアートやん」「感じるままに相手が美しい食べたいと思える」「コンセプトがいかに新しいか」「造形の美」「独創性」。
感じることから和菓子まめいちは次のステップへと進みます。
Harvest ―実り―
京番茶のスモーキーな香りの浮島にあんぽ柿の羊羹を忍ばせ胡桃餡と胡桃羊羹で包みました。たわわに実る柿の木のように様々に沢山の実りとなりますように願いを込めました。
おかげさまで京菓子展入選のさせていただき、製作していく中で沢山の学びがありました。挑戦することで大きな「実り」となりました。これからも感謝の気持ちで精進してまいります。
原材料:大手芒 砂糖 黒糖 薄力粉 上用粉 胡桃 卵 あんぽ柿 松の実 京番茶 藻塩 寒天 佐藤里恵作
火守 ―Homori―
11月19日裏千家では「銀杏餅」という主菓子で宗旦忌の茶会が開催されます。今日庵に三代目家元 千宗旦が植えたとされる大銀杏の木があります。何度も大火に見舞われた京都でありますが、この銀杏の木が、今日庵が燃えるのを防いだと伝えられており、裏千家の守り神として崇め奉られております。
京人参と銀杏の錦玉羹とこし餡羊羹のハーモニーをお楽しみください。
原材料:小豆 砂糖 黒糖 京人参 翡翠銀杏 藻塩 寒天
初志 ―Shoshi kantetsu―
「蓮華の五徳」という仏教の言葉があるということを知りました。菓子は「除災招福」あらゆる災いを除き福を招き入れるものであります。
皆様に幸せが訪れる菓子づくり。その為には、五徳の蓮の花になる前の蓮の種の部分から。菓子づくりの精神を磨いて行こうという思いを込めて蓮の種をイメージしてみました。
蓮根入りこし餡を大徳寺納豆入りのこなしで包みました。
原材料:小豆 砂糖 大手芒 蓮根 大徳寺納豆 ササニシキの米粉 羽二重粉 オブラートパウダー
亥の子餅 ―Celebration―
亥の子祝の行事菓子。イノシシは多産であることから子孫繫栄への願いや亥は陰陽五行説で「水」にあたることから火難を逃れるという信仰があり、茶の湯の世界でも、「炉開き」の菓子として用いられています。
「源氏物語」にも登場する歴史の深い菓子で一服お茶にしませんか♪
原材料:小豆 砂糖 栗 白玉粉 片栗粉 黒胡麻
京菓子展によせて
皆様のおかげさまで、今年も京菓子展チャレンジすることができました。
まめいちスタッフ佐藤里恵、まめいちこと幾世橋陽子、入選作品に選んでいただき、授賞式に参加させていただくことができました。
今回は入賞とまでいかず、この意味を感じたい。今の私に何が必要なのかを知りたい。その思いで製造部スタッフ3人組で京都へ行って参りました!
京都は伝統と革新の都。
今回の旅で改めて、何か芯がありながらも絶えず変わってゆく。そういうものを感じました。
今回の京菓子展のいろいろな分野の先生からの審査における評価も「コンセプトがいかに新しいか!」「京菓子における、型の部分から、どの様に独創性を見出しているか」という所のご指摘が多かったように思いました。
うおーーーーーーー!ハードル上がってるーーーーーーーーーーーーーーー!!!
これはもう今まで通りのことをしていたのでは、まめいちは埋もれてしまう(焦り!!)そう感じざるを得ません!
さー!どうしたらいいのか!
有難いことに、師匠の太田さんとじっくりお話させていただくことができました。
太田さんのワールドワイドな菓子の世界と相手を思った菓子づくりの奥深さを感じ、涙があふれてきました。
そして、、、
その後まめいちは「感じる」という事の奥深さを肌身で感じてしまうこととなったのです。。。
それは、茶の湯。茶道文化についてです。
さかのぼります事、老松修行時代。
先輩方はすでに茶道を当たり前のことのようにされていて、私は「やりなさい」と言われていないからやらなくていいのだと思って働いていました。喫茶部門で働いている時も必要性を感じながらも見よう見まねでこういう風にすればいいのかなと、教えられるままにお茶事のお手伝いをしていました。
仙台に帰ってきてやっぱりやった方がいいのかな?とザックリ思い、初心者向けの茶道教室に半年楽しく通いはしたものの忙しさにかまけてそのままになっておりました。
6年前、太田さんに「茶道ってやっぱりやった方がいいんですかね?」と聞いたところ「感じたらええねん♪」と。私はまたも「やりなさい」と言われなかったからいいんだ!と思いそのままにしていました。
そして1年前、これからどうしていったらいいかわからなくなり、太田さんに、どうしたらいいのかたずねてみました。
沢山のアドバイスの中に「岡倉天心のThe Book of Tea読んでみはったらええで~」とあったのですが、その時は、この本は茶道の手引書だから一番最後にしようと、読んでいませんでした。
今回、京菓子展入選のお知らせをいただき、太田さんにお会いできる切符を手にしたまめいちは、最後にしていたミッション、茶道のお話「The Book of Tea」を読み始めました。
するとどうでしょう!
茶道の手順などの手引書と思っていたのは間違えで、「お茶」というものが、いかに日本文化の集約であり、「お茶」に日本人の精神や美意識が詰まっているという事が書かれた哲学書であったのです!
やっぱりやった方がいいのではないかと思ったまめいちは、今回もまた太田さんに「茶道ってやった方がいいんでしょうか?」とたずねました。すると答えはやはり同じ「感じたらええねん♪」
そっかーヽ(^o^)丿☆彡やっぱり感じたらええんやーーーーーーーーーーーヽ(^o^)丿☆
と浮かれたのですが、老松修行時代から大変お世話になっている老松総務部長の聖子さんにかくかくしかじか話してみました。すると!!!なんと!!!聖子さんは
「太田さんは、やりなさいって言わへんよお~」
とおっしゃたのです。強要しないと言うのです。
そそそうかーーー(ToT)そうだったのかーーー(ToT) 茶道というものは「やった方がいい」と、言われてやるものではないのだーーー(ToT)
まめいち!目が覚めました!!!
まめいちは、随分と遅れをとってしまいましたので、ここで決意しました!
茶道千日回峰行!
千日毎日茶道をします!もし、一日でもさぼったら、丸坊主にします!
面白庵小谷さんに毎週木曜日にお稽古もお願いしました!
基本を身につけ、想像の翼を大きく大きく広げたい!そう強く思うまめいちなのであります!!!
今月のテーマは「FEEL!」京都の食材を感じてお菓子にしてみました。
2022-10-07 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ
今月のテーマ:フェルメール
2022年10月8日(土)~11月27日(日)までドレスデン国立古典絵画館所蔵「フェルメールと17世紀オランダ絵画展」が宮城県美術館にて開催されます!
絵画展を100%楽しみたいあなたのために「本業まめいちの招き猫、裏稼業YouTuberにゃん吉」が、見どころをページの最後で解説しております。
ポワンティエ 光と静寂
ポワンティエ。消え入りそうな光の輝き。フェルメールの作品を通して見られる黄色味を帯びたやわらかな光を柚子の錦玉羹で、フェルメールブルーの鮮やかで独特な深い青はバタフライピーの天然の色素で表現しました。和菓子をじっと見つめてフェルメールだったらどこにポワンティエするだろうと想像するのも楽しいかもしれませんね。
ほんのりとシナモン香るさつま芋餡入りのホワイトチョコ羊羹です。
原材料:さつま芋 砂糖 大手芒 ホワイトチョコ 柚子 生クリーム 紅茶のお酒 シナモン バタフライピー 寒天 /銀箔
佐藤里恵作
オランダの光
オランダ絵画の巨匠フェルメールやレンブラント、ゴッホ、ライスダール、ハブリエル・メツー、カスパル・ネッチェル、ヤン・ステーン。オランダの光が生み出した天才たち。
オランダの光の成分は、太陽光と拡散と反射。「湖の水面」と「雲」。水による光の反射によってつくられるオランダの光。この光を求め、モネをはじめとする大勢の画家がオランダに憧れて訪れたといいます。オランダの独特な光を雲の中に表現してみました。
ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ餡とマシュマロ入りのこなし製です。
原材料:大手芒 砂糖 マカダミアナッツ ヘーゼルナッツ マシュマロ 寒天 片栗粉 水飴
フェルメールの食卓
フェルメールの作品に「牛乳を注ぐ女」という名画があります。この絵をじっと見つめていると、ちょろちょろと牛乳を注ぐ音まで聞こえて、パンプディングでも作ろうとしているのかしら、いい香りまでしてきます。フェルメールも絵をかきながらつまみ食いもしたかしら。
カンパーニュのようなパンを黄身時雨で作ってみました。ブランデー漬けサルタナレーズンとマロングラッセこしあん入り。ほんのりどこかで山椒が香ります。
原材料:大手芒 砂糖 小豆 サルタナレーズン マロン 卵黄 ブランデー ヴァローナココア 黒糖 ケシの実 山椒
まめいち&工藤綾佳合作
にゃん吉の見どころ解説
こんにちは!まめいちの招き猫にゃん吉です!いつもまめいちをご贔屓くださり誠にありがとうございます!
今回は裏の顔YouTuberにゃん吉が、皆様をフェルメールの世界へご案内させていただきますにゃ☆彡
ヨハネス・フェルメール 1632年10月31日オランダのデルフトという町で生まれました。
日本では寛永9年江戸時代前期ですにゃ!
フェルメールの生きた17世紀のオランダは黄金時代。経済的に繁栄し、商人をはじめとする市民の生活が豊かになり、一般市民の家庭にも当然のように絵画が飾られて文化が成熟していった時代でした。
人々が画家に要求する絵も、宗教画から何気ない日常に寓意(ぐうい)と言って、教訓・教えを込めたものに変わってゆきました。
寓意の例えをご紹介するにゃ!絵の中に頭蓋骨が描かれていれば…人生のはかなさを表現しているにゃ。
天秤が描かれていれば…善悪をはかっているにゃ。
キューピッドは…愛の象徴ということなんだにゃ!
今回の展覧会の見所も、フェルメールの絵画「窓辺で手紙を読む女」の復元によって現れたキューピッドなのだにゃ!
現存しているフェルメールの作品は30数点と少ないけれど、どれも考え抜かれた構図になっています。人物、そしてその視線、情景のトリミング、配置に角度。全てにおいて演出に成功しています。
様々なテクニックによって構成されているにも関わらず自然なやわらかさは、一体どういうことなのだろうと興味が深まります。
私たちはフェルメールに何かだまされているのではないか…という不思議な気持ちにさせられるのも魅力のひとつです。
フェルメール1・平面がいかにも奥行きがあるかのように見える遠近法の活用カメラ・オブスキュラ。
定点観測のための秘密の道具。ピンホールカメラと同じ原理の光学機器。誰もが使えば上手く描けるわけではなく、厳密な絵作りのためのアイテムのひとつです。
フェルメール2・光の魔術師。光が反射している部分を白い点々で描写ポワンティエ。
注がれる牛乳の光の部分やパンの上の無数の点。
フェルメール3・「青」にこだわる。際立つ独特な青、フェルメール・ブルーのラピスラズリ。
純金と同じほど高価な宝石を砕いて作った絵の具。「海を越えてきた青」「ウルトラマンブルー」と呼ばれ普通の絵の具の100倍の値がついていました。
フェルメール4・分厚いカーテンなどを主題の前に配して奥行きを強調ルプソワール。
見ている側が秘密の空間を覗き見していると感じさせられる。カーテンの向こう側に真実が隠されているということを暗示しています。
2022-09-03 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ
今月のテーマ
枕草子~清少納言 心の風景~
京都・有斐斎弘道館 京菓子展2022 手のひらの自然。今年のテーマ『枕草子』は清少納言により執筆された随筆です。
京菓子展チャレンジのため『枕草子』と向き合いました。堅苦しい随筆なのだろうと思っていたのですが、読んでみると、あら!面白い!1000年前のユーモアあり、ロマンありの貴族の暮らしを覗き見ることのできる随筆なのだ!と知ることができました。
昔と今と変わったところあり、変わらぬところあり。
エモーショナルemotional
秋はセンチメンタル。夕ぐれは愛おしいものを浮き上がらせて心にしみてきます。清少納言の心の中の風景が手に取るように感じられるのは、千年前と変わらぬ風景がここにあるからですね。千年前と変わらないのかと思い馳せて、またしみじみとしてしまいます。
こなしで秋の夕ぐれを。中の刻み栗入りつぶあんで夜の音をイメージしてみました。
原材料:大手芒 北海道大納言 砂糖 栗 ササニシキ米粉 羽二重粉 金箔
第一段より
秋は、夕ぐれ 夕日のさして、山のはいと近うなりたるに、烏の、寝どころへ行くとて三つ四つ、二つ、三つなど、飛びいそぐさへ、あはれなり まいて、雁などの列ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとおかし 日入りはてて 風のおと、虫の音など、はたいうべきにあらず (第一段)
秋は夕ぐれね。真っ赤な夕陽が山の黒い稜線に映えて、ねぐらに帰るカラスが三つ四つ二つ三つと、と飛んでいくわびしさがいいわね。まして雁が空の彼方を並んで飛んでいく光景は、とても趣があって本当にいいわよね。日が暮れた後の、風の音や虫の声を聞く面白さは言うまでもないわね。
皓皓kou-kou
牛車の牛が一歩一歩踏み出すたびに跳ね上げる水を、水晶が割れ飛び散ったようにとらえた描写は鮮明に情景を映し出して、まるでスローモーションで見ているような気持ちにさせてくれます。闇の中を清らかに白く光り輝く様をイメージしてみました。
黒胡麻の羊羹で闇を、満月はプルーン入りのきなこピーナッツあん、割れて飛び散った水晶は砕いた透明な錦玉羹で表現してみました。
原材料:黒胡麻 砂糖 落花生 きなこ プルーン 大手芒 寒天 銀箔
作・佐藤里恵
第二一五段より
月のいとあかきに 川を渡れば 牛の歩むままに 水晶などのわれたるように 水のちりたるこそおかしけれ (第二一五段)
月がとても明るい夜に、牛車で川を渡りました。車の中から牛を見ていたら足で水面を蹴るたびに水が飛び散り、まるで細かく割れた水晶がキラキラ輝いているようでとても美しい光景でした。
ほおばり餅seaweed
清少納言様より承りまして、わかめをたっぷりのせて、あみえびもぱらりとかけて、ほおばると口がモゴモゴするように調製いたしました。清少納言様は今でもワカメを見るたびにワカメ事件を思い出してぷぷっと思い出し笑いをしてしまうそうですよ。
「則光様ったら、本当にバカメ!」
原材料:道明寺 砂糖 小豆 わかめ あみえび ライスパフ オブラートパウダー
里にまかでたるにの段 (第八十段)
ワカメ事件
清少納言、里帰りしている時の事元旦那の橘則光には、やはりがっかりしたエピソード。(則光は体育会系でしたので文学的なことはまるで理解できない男で、離婚の原因のひとつとも言われています。)
いろいろな人が訪ねてくると厄介なので、今回居場所はごく親しい人にしか教えていなかった。清少納言のことが好きな藤原斉信は、清少納言の居場所を知りたかった。
そこで、斉信は、離婚したとはいえ、則光なら知っているだろうと詰め寄る。則光は清少納言に固く口留めされていたので居場所は言えない。そこでとっさに食卓の上にあったわかめなどの海藻を口にほおばりモゴモゴして答えをはぐらかして逃れた。
そんなことがあったと則光は清少納言に得意顔で話した。しばらくして、再び斉信に清少納言の居場所をしつこく聞かれたため、則光は清少納言に手紙を書き「教えてもよいか」と尋ねた。
清少納言はそれに対して、海藻を紙に包んで送って返事とした。「前回と同じように海藻を食べて黙っていてね」という意味です。
ところが、則光は意味が分からず、後日、「あれはどういう意味だったの?」聞くものだから則光にはあきれ果ててしまった。というお話。
心の関所 believe in yourself
この世で一番通り抜けが難しい関所があるとしたら、それは自分自身の心の関所かもしれません。「自分を信じて 仲間を信じて」勝手に自分で閉ざしてしまっている関所を突破してください。素晴らしい世界があなたを待っています。
この菓子は、ピスタチオという関所をめくると、クランベリーやレーズン、ブルーベリーの秋色の美しい錦玉羹が現れる、さつま芋羊羹です。是非めくってお召し上がりください♪
原材料:さつま芋 砂糖 ピスタチオ クランベリー レーズン レモン グリーンレーズン ゴールデンレーズン ワイドブルーベリー 寒天
仙台育英高校甲子園優勝おめでとうございます!
白河の関を越えましたね✩
第百六段より
枕草子 関は、の段 (第百六段)にも白河の関があげられています。関とは何だろうということですが、関とは関所。昔、重要な道路や国の境に設けて旅人の出入りや荷物を調べた役所のことです。転じて、容易に通り抜け出来ない所。難関の意味に使われたりします。
※日本では、奈良時代から設けられ、平安時代から室町時代にかけては、朝廷や幕府、荘園領主などが通行料を取る目的であちこちたくさんの関所がありました。
2022-08-02 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ
今月のテーマ 中国四千年の歴史
京都・有斐斎弘道館 京菓子展2022 手のひらの自然。今年のテーマは『枕草子』
清少納言はどうしてこんなに優れた表現ができるのだろうと考えていると、平安時代の才女たちの学習ツールは中国にルーツがあるのだとわかってきました。頻繁に登場する白居易の「白氏文集」。こちらを紐解きながら枕草子の序章を読むように古の中国へと旅に出かけましょう。
長月は「枕草子」のお菓子をお作りいたします。
卯時の杯
白居易はお酒が大好きであったようで、詩の中にお酒のテイストを沢山表現しています。「緑色をした飴のようにとろりとした飲み口の酒」
酒飲み友達を誘う詩もあります。内容は「緑の酒が、かめの台にはりつくほどに飴のようにとろりとしたうまい酒ができたから、詩句にうたってお誘いしてみようかな。朝の杯を挙げて一緒に酔いたいなあ」と詠んでいます。この詩のお酒は竹葉青酒という、竹の葉を漬けてつくられる薬酒。血を養う効能があると言われています。
竹葉青酒とジャスミン茶とライチのお酒の錦玉羹です。
卯時とは:十二時辰の名称で、朝の5時から7時の頃を指します。朝の酒杯、気持ちよさそうですね♡
原材料:砂糖 竹葉青酒 ライチ ジャスミン茶 緑茶 寒天
僥倖の五色(ぎょうこうのごしき)
幸せになりたいと願う気持ちは四千年前も今も変わりません。僥倖とは偶然に得る幸せの事です。偶然の幸せなんて滅多にないですよね。と思われるかもしれませんが、僥倖の五色を心に秘めれば、向こうから幸せがどんどんやってきます
黄色:好奇心
赤色:冒険する心
青色:失敗しても努力する心
緑色:どんなことも楽しむ心
白色:柔軟な心
心の迷路に迷ったら、この五色を思い出してみてください。
月餅餡入りのこなし製です。月餅。中国の菓子で、昔はお供え物として中秋節に食べられていました。月に見立てて丸く平たい形をしています。
原材料:北海道小豆 砂糖 大手芒 黒胡麻 胡桃 ごま油 蜂蜜 シナモンパウダー ごま油 ササニシキ米粉 羽二重粉 /金箔
麻球マーチュウ
麻球。中国で考案された点心料理のひとつです。漢の時代、漢の文帝が、戦いに勝利した事を祝う行事として「元宵節」が行われていました。その行事食の中に「元宵」という団子があり、それが麻球、あんこを餅で包んで胡麻をまぶして揚げた菓子、ゴマ団子の由来ではないかと言われています。
漢の時代とサラッと言いましたが、紀元前206年~西暦220年の遥か遥か昔のことです。当然のこと、砂糖や植物油は存在していないという時代なので、油で揚げるのではなく、茹でていた説が有力のようです。
甘味は蜂蜜や麦芽糖(水あめ)などであったでしょうか?
小豆は漢の時代にはあったと言うことなので、米のとぎ汁に米麴を加えて小豆を入れ甘く煮詰めて餡にしたのでしょうか?想像するとワクワクします
原材料:北海道大納言 砂糖 蜂蜜 金胡麻 上用粉 羽二重粉 葛粉
杏仁豆腐(シィンレェンドォゥフゥー)
杏仁豆腐。中国発祥のデザートで薬膳料理の一種です。喘息の治療薬である杏の種の中の「仁」杏仁の粉末で苦味を消すために甘くして服用しやすくした料理です。
杏仁豆腐とパイナップルのレモン錦玉羹です。杏仁豆腐にかかせないクコの実も添えました。
クコの実は抗酸化物質を豊富に含んでいて、免疫力を高めてくれます。喉がいたくて体調がすぐれないときはに効果的です。ちなみに、杏仁のアロマ効果は疲れた脳や心を癒すと言われています。なんと素晴らしいデザートなのでしょう♡
原材料:砂糖 パイナップル クコの実 ディル 牛乳 生クリーム 杏仁 レモン 寒天 脱脂粉乳 粉末油脂
葉月のまめいち通信
今月のテーマは「中国四千年の歴史」
京都・有斐斎弘道館 京菓子展2022 手のひらの自然。今年のテーマは『枕草子』。
『枕草子』は、平安時代中期に一条天皇の中宮定子に仕えた女房、清少納言により執筆された随筆です。枕草子から受け取るイメージをカタチにして、皆さんも京菓子展チャレンジしませんか?
で、何故に中国四千年の歴史?
春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる
(何と言っても春は夜明けよ。空がだんだんと白んできて やがて山際がほんのり明るくなって 紫がかった雲が細くたなびいている)
あまりにも有名な文章です。有名すぎて深く理解しようとすることすら思いつかずにいましたが、今回和菓子にするため、細かく向き合うと、その描写力に吸い込まれてしまいます。
自然、人物、音、香り…読み進めていくと、まるで自分が清少納言のレンズを通して見ているような感覚になり、動くもの、光るもの様々にリアルタイムでクリアに感じ取ることができます。
どうして、こんなに優れた表現ができるのだろうと読み進めていきますと、ちょいちょい現れる【白居易】の白氏文集。
白居易???っとなるのがまめいちさんのいい所!ここから遠回りしますよ!どうぞお付き合いください!
白居易(772∼846)唐代中期の詩人。
文芸に深い関心がある一条天皇の宮廷では、白居易の詩がよくよまれていたそうです。
よくよまれていた!という事は、宮廷では“白居易ブーム”という事になります。白居易の素敵なフレーズを真似して笑いあうなんて光景も目に浮かびます。
まめいち流の理解法の一例として:
「全集中」「水の呼吸」鬼滅の刃ファンならピンとくる!
「水色のマフラーにコート」冬のソナタファンならピンとくる!
「横断歩道を4人で渡る横から写真」ビートルズファンならピンとくる!
中宮定子様も清少納言も“白居易ファンならピンとくる!
で、相当読み込んでいたに違いありません。
そのことがよく表れているのがこちらの段です。
雪のいと高う降りたるを、例ならず御格子まゐりて、炭櫃に火をおこして、物語などしてあつまりさぶらうに、
「少納言よ。香炉峰の雪はいかならむ」と仰せらるれば、御格子上げさせて御簾を高く上げたれば、笑わせたまふ
雪の降り積もった日の事。せっかくの美しい雪景色にもかかわらず、女房たちは格子を締め切って、火鉢を囲みいろいろとお話をしていました。すると定子様が突然「清少納言よ、香炉峰の雪はどうであろう?」とおっしゃったのです。 香炉峰とは中国の山の名前です。
白居易の詩に「遺愛寺の鐘は枕をそばだてて聴き 香炉峰の雪は簾をかかげて看る」とありますので
格子を上げさせて、それから簾を高く巻き上げて、外の雪が見えるようにしました。定子様はわが意を得たり!というお顔でにっこりなさいました。白居易ファンならしびれるひとコマですね。
白居易のブームはもちろん中国で広がりました。中国の詩史に大きく流れを変えた詩人。新しい爽やかな風を送り込んだ詩人であると紹介されています。この白居易の詩、これまた描写力がすごごごごいのです。
- 【長恨歌:玄宗皇帝と楊貴妃の物語】から、楊貴妃の美しさを「眸(ひとみ)を廻らしひとたび笑えば百媚生じ」
意味:くるっと振り向いてにっこり笑えば匂いたつその艶やかさ♡
- 【新楽府:胡旋女】から 胡旋舞とは連続した急旋回を基調とするダイナミックな回転が魅力の舞。
これを白居易の表現は、「心は絃の音に応じ、手は鼓の音に応ずる。雪は風に舞って回り、蓬はまろびつつ舞う。疲れも知らず千回万回はてしなく回り続ける。世に並ぶものなきその速さ。つむじ風さえのろく見える。」
中国四千年の歴史からの和菓子たちお楽しみいただけましたでしょうか♡
枕草子までちょっと遠回りしてしまいましたが(汗)
来月、長月!
枕草子を和菓子にいたしますのでお楽しみに♪
2022-07-04 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ
今月のテーマ ~万葉集 七夕伝説~
一年に一度逢える。心から湧き上がる喜び。
彦星は舟を出し、織姫星は天の川の川岸で今か今かと待ちわびる。
~七夕伝説~
織姫星
我が背子に うら恋ひ居れば 天の川 夜舟漕ぐなる 楫の音聞こゆ
詠み人 柿本人麻呂
意味:私の夫を恋しく思っていたら、天の川を漕ぎ渡る舟の楫の音が聞こえる。まもなく逢えるという嬉しい気持ち。心高鳴る織姫星をイメージしてみました。
ラズベリーの甘酸っぱい錦玉羹に木の芽を添えました。
原材料:砂糖 ラズベリー ワイルドブルーベリー 国産レモン 寒天 木の芽 /金箔銀箔
比故保思 ひこぼし
年にありて 一夜妹に逢ふ 比故保思も 我にまさりて 思ふらめやも
詠み人知らず
意味:一年に一夜だけ妻である私に逢う彦星も私以上に強く私を思っているでしょうか。不安に思う女ごころが詠まれています。
万葉集に彦星は、「牽牛」「男星」「比故保思」などと詠まれています。なぜ、比故保思の字を当てたのでしょう…。気になるところです。
梅酒の効いた錦玉羹にミントとバタフライピーの錦玉羹を添えて、白あんを入れ茶きん絞りに仕上げました。冷たく冷やしてお召し上がりください。
ミントの葉の爽快感が、比故保思のお気持ちですからご安心くださいませ。
原材料:大手芒 砂糖 梅酒 ミント バタフライピー 金箔銀箔
佐藤里恵作
天の衣 あまのころも
七夕まつりは、もともと日本の神事であった「棚機(たなばた)」と、織姫と彦星の伝説と、奈良時代に中国から伝来した「乞巧奠(きっこうでん)」という行事が合わさったものと言われております。
「棚機」とは古い日本の禊の行事で、穢れのない乙女が清い水辺にある機屋にこもり、神様のために心を込めて着物を織り棚に供え、神様を迎えて、豊作を祈り、無病息災を祈る行事でした。その時に使われたのが「棚機」という織り機です。この行事はやがて仏教の伝来によりお盆を迎える準備として7月7日の夜に行われるようになりました。
「七夕」を「たなばた」と当て字で読むのはここからきているとも言われています。神様のために心を込めて乙女が織った着物をイメージしてみました。
赤えんどう入りこしあんの求肥のお餅です。
原材料:北海道小豆 砂糖 赤えんどう 白玉粉 片栗粉 藻塩
さざれ石
さざれ石とは、細かい石・小石のこと。それを、星屑の集まった流れ天の川に思いを寄せて、七夕の日「さざれ石」と言われれば、天の川と連想する美しい文化です。
信濃なる 千曲の川の さざれ石(し)も 君し踏みてば 玉と拾はむ
詠み人知らず
意味:信濃の千曲川の小石でさえ、あなたが踏まれた石ならば、玉と思って拾います。
この歌は、千曲川を詠んだ歌ですが、天の川の岸の織姫と重なって、織姫が拾った宝物の小石はどんなであったろうとイメージしてみました。
黒糖生姜のねき餡入りの黒胡麻こなし製です
原材料:大手芒 砂糖 黒胡麻 黒糖 北海道小豆 生姜 ササニシキ米粉 羽二重粉 藻塩
万葉集 七夕伝説
中国から七夕伝説が伝わった奈良時代、万葉集には130首以上の七夕にまつわる歌が詠まれています。
どちらが天の川を渡って会いに行くの?と疑問に思いましたが、万葉集には彦星から説が有力です。妻問婚と言って、男性が妻の住むところに通う時代ということもあり、日本では男性が舟を出す。ことになったのでしょう。
彦星と織姫星の逢瀬を自分自身と重ね合わせ、ふたりが今年も無事に会えますようにと願うのは、万葉の時代も、今も、変わらないようです。万葉集の中の七夕を詠んだ歌を、少し見てみましょう。
霞立つ 天の川原に君待つと い行き帰るに 裳(も)の裾(すそ)濡れぬ …山上憶良
意味:霞が立つ、天の川原であなた様がいらっしゃるのを待って、川原を行ったり来たりして、裳の裾が濡れてしまいました。織姫星のそわそわする気持ちを詠んでいます。
天の川 楫(かじ)の音聞こゆ 彦星と織女(たなばたつめ)と 今宵逢ふらしも …柿本人麻呂
意味:今夜は七夕の夜なんですね。楫を漕いでいるのは彦星です。彦星が天の川を舟で渡って織姫星に逢いにゆくのですね。今年は逢えるようですね。と希望を感じさせる歌です。楫を漕いでいる音が聞こえてきそうです。
青波に 袖さへ濡れて 漕ぐ舟の かし振るほとに さ夜更けなむか …大伴家持
意味:青波に着物の袖さえ濡らしながら漕ぐ船を、杭を振り下ろして水中に立て、つなぎとめている間にも夜が更けてしまうだろうか。時間が足りないと焦る気持ちを星に託しています。
逢いたくてソワソワしている、逢えるという希望と、不思議と一瞬、不安がよぎる。そんなところも、今と変わらないですね。
時代が変わっても、愛おしく思う気持ちの本質はやはり同じですね。
古人も、せつない気持ちを夜空に打ち明けてなぐさめられていた特別な日。七月七日七夕の夜。ということなのでしょう。みんな一緒ね。と、ちょっと心強い気持ちになったりします。
みなさんは、誰を思って、七夕の夜、空を見上げますか?
きっと素直に願えば、キラキラ金銀お星さまが降ってきて、その願いは叶うでしょう。
2022-06-05 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ
今月のテーマ 和菓子が主役の日!
6月16日は「和菓子の日」なのですが、意外と知られていないのが現実です。和菓子にたずさわる者として、この日をクリスマスくらいメジャーにしたいのです!!!どのようにしたらメジャーになるのでしょうか…
~和菓子の日の行事菓子~
元気餅
和菓子の日の行事菓子がないのなら作りましょう!ということで、まめいちが考案しました。
平安時代、16個の餅や菓子をお供えするところから始まった行事。江戸時代は「1」+「6」で7つの菓子、七嘉祥に姿を変えました。令和の時代は、7つの食材を1つの菓子に込めまして現代人に合うように栄養たっぷり調整いたしました。
疲労回復のクエン酸の梅干し、ビタミン・ミネラル・アミノ酸豊富なかつお節入りの白餡を道明寺のお餅で包み、アントシアニンポリフェノールを多く含む黒ごま、良質な脂質と 旨みが濃厚な金ごま、免疫力強化の青のりをまぶしました。
※まめいちの野望※
100年後のお菓子の歴史の本に…
「2122年6月16日は和菓子の日。この日は【元気餅】を食べて健康招福を祈る日です。由来は、100年前の2022年までさかのぼります。宮城県のある和菓子屋が勝手に考案し、勝手に毎年作っていたことが、勝手に広がり、いつしか定着して恒例の行事菓子となりました」
なーんてなったら面白いですね♡
原材料:大手芒 砂糖 道明寺 かつお節 梅 黒ごま 金ごま 青のり 塩 紫蘇
有難糖 ありがたとう
お菓子作りにかかせない砂糖。砂糖の歴史をたどると紀元前4世紀までさかのぼります。アレキサンダー大王がインドに行った時の遠征禄にサトウキビ栽培のことが記録されています。
このころ日本は縄文時代。日本に砂糖が入ってくるのはまだまだ先の奈良時代です。きらきらとして美しい宝石の原石のような甘い砂糖はとても貴重で、薬としてあつかわれていたそうです。
そして昔の砂糖づくりはとても過酷なものでした。サトウキビは収穫してすぐに加工しないと糖分が減ってしまう植物なので、収穫してすぐにさいて絞り出し煮詰めなければなりません、朝から晩まで本当に骨の折れる作業です。当たり前のように砂糖を使っておりますが、先人のご苦労の上に今があるということを受け止め、まめいちでは6月16日、砂糖づくりに携わっている方々携わった方々へ感謝する日にもしたいと思います。
角砂糖に見立てたすり琥珀。大豆入りつぶあんのこなし製です。
原材料:大手芒 砂糖 小豆 大豆 ササニシキ米粉 羽二重粉 水飴 寒天/金箔
みずはの恵
6月は「水の月」水の神様 罔象女神ミズハノメノカミ麗しい乙女の姿で現れます。
雨が降り 大地にしみこみ 湧きだして 川となる
紫陽花が雨にぬれて美しいのは水の女神が宿っているからなのだろうか。
京都一保堂幾世の昔の抹茶浮島甘納豆入りに抹茶を引き立てる程度のレモンカードをぬって、ハーブバタフライピー餡をしぼりました
原材料:大手芒 砂糖 小豆 国産レモン 無塩バター 小麦粉 上新粉 抹茶 バタフライピー 寒天 銀箔
作:佐藤里恵
天のたむ酒
天で造られる美酒「天のたむ酒」。夏のバテた体をたちまち元気にしてくれます。古事記に登場する美しい女神コノハナサクヤ姫が造ったとされる美酒。今の甘酒のようなものと言われております。
甘酒づくりには不思議な感覚があり、半日もあればできてしまい数日するとそれはそれは甘くなります。コノハナサクヤ姫が宿ったのではないかと思うくらいです。
甘酒とハーブバタフライピーの二層の錦玉羹です。冷やしてお召し上がりください
原材料:米 麴 砂糖 水飴 バタフライピー 寒天
水無月 6月30日 夏越の祓 行事菓子
一年のちょうど半分にあたるこの日。半年生きてきて犯してきた罪や穢れを祓い、年末大晦日までまた元気に明るく過ごせるように身を清める行事です。三角の形は氷に見立て、小豆には邪気を祓うという意味が込められています
原材料:小麦粉 砂糖 小豆 上用粉 浮き粉
和菓子の日
『和菓子の日』とは全国和菓子協会によって昭和54年に制定された和菓子を食べる日です。元をたどると平安時代までさかのぼります。
平安時代848年仁明天皇の時代。夏のこと、疫病が蔓延してしまい何とかしなければと、ご神託を受け「16」という数字を賜りました。
そこで6月16日に神前に、餅や菓子を16個供え、疫病を除け健康招福を祈誓し、その時元号を「承和」から「嘉祥(かしょう:めでたいしるしという意味)」と改元しました。するとぴったりと疫病が納まりましたので、嘉祥の儀として毎年恒例の祈願祭となりました。
鎌倉時代は、宋の嘉定銭16文で食べ物をそろえ御膳に供える行事がありました。
室町時代武家の間では、楊弓(柳でできた小さい弓で的を射って遊ぶ遊戯のこと)で負けた人が勝った人に嘉定銭16文で食べ物を買ってもてなす風習がありました。この嘉定通宝、読んで字のごとく 【嘉(か)】【通(つ)】勝負に勝つ縁起が良いと重宝されました。
江戸時代は将軍自ら菓子を大名へ下すという儀式的な形で、視覚的にそれぞれの立場を再認識する場として重要な一日となりました。このころになると16個も揃えるのが大変だよねとなり、「1」+「6」=7ということで、七嘉祥として菓子が売られるようになりました。
少しずつ形を変えながら和菓子が主役の大切な行事があったわけですが、明治時代になりますと徐々に薄れてなくなってしまいました。
なぜなくなってしまったのか!!!そしてなぜ浸透していないのかを検証してみました!!!
まず、日本には四季折々行事がございます。お正月、ひな祭り、端午の節句etc。。。行事には名脇 役の行事菓子が存在します。例えば、お正月は「花びら餅」、ひな祭りであれば「ひちぎり」「桜餅」「草餅」、端午の節句は「粽」「柏餅」、夏越の祓は「水無月」etc。。。
そして、行事には人々の豊かな暮らしへの願いが込められています。ひな祭りは女の子の健やかな成長。端午の節句は男の子のたくましく健やかな成長。夏越の祓は穢れを清めるなど。。。
そこを考えてみますと、「嘉祥の儀では特に決まった菓子があるわけではなかった」ということなのでポイントはそこにあるのではないかと推察できます!!!この日にはこの菓子を食べるという楽しみがある事が重要なのではないか!!!
ではではないのなら、、、作ればいいのだーーーーーーーーヽ(^o^)丿☆彡
ということで、まめいちが考案した行事菓子が出来上がりました。
2022-05-26 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ
今月のテーマ「心の旅 松尾芭蕉」
気候も過ごしやすく旅をするのに良い季節ですね。しかし、旅をするのはなかなか簡単な事じゃないよ。という方も多いかと思います。
ではでは、『心の旅』へ出かけるのはいかがでしょうか。目を軽く瞑って深ーく深呼吸をしたら、さあ出発です♪
本わらび餅
松島の美しさを称えるために、あえて俳句をおくのほそ道に入れなかった芭蕉さん。こちらの菓子、あえてあれこれ言わずとも、とにかく美味しいのです。ね、芭蕉さん。
原材料:北海道小豆 砂糖 本わらび粉 特選きなこ
千年の形見
五月雨や 降りのこしてや 光堂
こちらの俳句は中尊寺金色堂で詠まれたもの。金箔に覆われた光堂は、四面を囲うことで風雨や霜雪に耐え千年前の姿を今に残しています。無常のはかない世の中、しかしここだけは降りのこしてくれたのだなぁと希望をふくらませてくれる一句です。
千年前の完成したばかりの金色堂は、それはそれは燃えるように光り輝いていたことでしょう。夜空に燃ゆる光堂をイメージしてみました。
佐藤屋さんの乃し梅羊羹とバタフライピーの錦玉羹です。
原材料:乃し梅 大手芒 砂糖 バタフライピー べに花 寒天/金箔
月の肌
閑さや 岩にしみ入る 蝉の声
こちらの俳句は山形県立石寺、山寺で詠まれたもの。山寺を這うように登り参詣。ただただ心が澄み切っていくばかり、鳴きしきる蝉の声も静寂を均一にしたように、岩にしみているようだ。
山寺の岩は、まるでお月様の肌のようでいろいろなモノを吸い込んでくださっているような寛大さを感じました。
精神は宇宙にあり、肉体の蝉の声は一枚岩越しに聞こえているような感覚。岩にしみている蝉の声をイメージしてみました。
原材料:大手芒 砂糖 黒胡麻 もち麦 白米 寒天
かるみ
芭蕉さんが「おくのほそ道」の旅で得た境地は、「不易流行:永遠に変わらないことを忘れず、新しみや変化も同様に取り入れて行くこと」「かるみ:重くならず、理屈や細工を離れ、観察眼の鋭さと的確な語を選び抜く力。簡潔な一句を選び抜く力。」
この「かるみ」とは、重みを知ったものにのみ知ることのできる境地。酸いも甘いもかみしめたものにのみ知りえる真髄。
分銅をイメージした重みの上にかるみの白あんを絞りました。
原材料:大手芒 砂糖 デーツ エゴマ 寛文五年堂みそ
柏餅
柏餅は夏の季語です。ココで一句。
満面の 笑みでほおばる 柏餅
国産の香りのよい柏の葉を巻いて香りを移しております。白みそ餡、北海道小豆のこしあんの2種ございます。
原材料:【みそ餡】大手芒 上新粉 羽二重粉 石野の白みそ 砂糖 /柏の葉 【こしあん】北海道小豆 上新粉 羽二重粉 砂糖 /柏の葉
5月16日は『旅の日』
江戸時代の俳人:松尾芭蕉が、門人の曾良と「おくのほそ道」に出発した日にちなんで制定されました。
「おくのほそ道」というと沢山の有名な俳句があり、例えば「古池や…」と初句を聞けば「蛙飛び込む 水の音」と出てくるくらい。俳句をあまり知らなくても、なんか知っている、聞いたことがある。そうそうこちらも「夏草や…」と初句を聞けば、「兵どもが 夢の跡」。
松尾芭蕉は46歳の時に「おくのほそ道」への旅を決意しますが、人生50年と言われている時代に、何を思い、何を探りたくて旅に出たのでしょう。
新たな俳句の世界
言葉遊びであった俳句の世界から、芭蕉は心の世界を俳句に読み込んでゆくという事に気がつきました。
心に浮かんだ風景を詠む。
現実と心の風景を重ねて詠むことで、伝統的な和歌の世界に通じるものがあるのではないかと思い、みちのくへの旅の中でそれを試してみたくなり、行かねばならぬ!居ても立っても居られなくなり、これを腑に落とさねば死んでも死に切れぬ!という心境だったそうです。
江戸・深川を出発して福島・宮城・山形・ちょっとだけ秋田・新潟・富山・金沢・大垣
150日間2400キロ!!!
歌枕を巡りその名所で新しい俳句の世界を試してみたいというのも目的にあったそうです。
(※歌枕とは、古代。中世の歌人たちが歌で作り上げた名所の事)
ところが、歌枕の名所を訪ねるも、廃墟になっていたり、あるにはあるが、ぞんざいに扱われていたりとすっかり落ち込んでいましたが、宮城県松島に到着した芭蕉はその美しさに「美人がさらに美しく化粧をしているようだ」と絶賛しています。
絶賛しているにも関わらず、なぜか芭蕉は松島で詠んだ俳句を「おくのほそ道」には入れていません。
(※「松島や ああ松島や 松島や」と詠んだと言われていますが、これは芭蕉の俳句ではないのだそうです。)
芭蕉は、あえて書かないことで松島の素晴らしさを称える。心の表現のひとつととらえ、読む人への良い意味での裏切りでもってワクワクと想像力を搔き立てる効果を狙ったのです。
芭蕉さん現代に生きておられたらプロデューサーで手腕を発揮しそうですね。
2022-04-04 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ
今月のテーマ ~蓬~
春は出逢いの季節 。それはきっと自分との出逢い。
四月は出逢いの季節です。花もほころびはじめ、出逢った仲間で お花見団子でも食べながら宴もしたいものですね 。
春とは香り。自然からの贈り物は、植物の春の香り。そう言えば、出逢いの逢に草冠をつけると春の香りのひとつ『蓬』になりますね。
感謝の穴
桜咲き誇り今年も美しく咲いてくれて ありがとうと 感謝の心にあふれます。 『感謝』の漢字の成り立ちは 『感』口が開けらけないほど 心を打たれる様 『謝』。【言】は、口を使っていう事 【射】は、張りつめた矢を手から放つ事 。張りつめた言葉という矢を放って、緊張を緩めるとい う意味を持っています。
感謝を伝えて射った矢の穴は、角度を変えるとすぐ 見えなくなってしまいますので 、見ようという気持ちが大切なのかもしれません。出逢った時の新鮮な気持ちが大切なのかもしれません。
原材料:大手芒 砂糖 青汁 チェリートマト ササニシキ 米粉 羽二重粉 (青汁:大麦若葉末 オリゴ糖 ケール末 さつま芋 生姜末 明日葉末 クマガサ末 ボタンボウフウ 桑の葉末 ニンジン かぼちゃ ほうれん草)
神様の蓬もち
蓬の葉に神様が宿っている。神様は盛り上がった所に宿る。昔人の創造の豊かさに感動します。 蓬には、コレステロール値を下げてくれたり 貧血予防、生活習慣病予防、粘膜を健康に保つ効果 便秘解消、胃腸の機能改善、体を温める、美容効果 喘息予防…と万能薬草です。 ひとりひとりの個性という盛り上がった所にも宿るということでしょうか… 。
しっとりつぶあん入りの蓬たっぷりの蓬餅です。
原材料:北海道小豆 砂糖 白玉粉 蔵王の蓬 /金箔
萌 moe
春の色、萌黄色 『萌』という漢字の成り立ちは 植物を表す【草冠】と、光を表す【明】 「光を浴びて、草木の芽が出てくる様子」 萌黄色をピスタチオで、優しい光を杏で 若い大地を白ごま羊羹で表現しました。やさしい光に世界が包まれますようにと思いを込めて。作・佐藤里恵
原材料:大手芒 砂糖 ピスタチオ 白ごま 杏 寒天/金箔
蓬莱の玉
蓬莱とは、不老不死の薬を持つ仙人の住む山の事です。 よもぎがしまとも言われます。そういったところからも『蓬』に秘められた不思議な パワーを感じずにはいられません。
蓬たっぷり、ほんのちょっぴり蓬のお酒アブサン入りの 羊羹と錦玉羹の 2 層の和菓子です。 春の香りをいっぱい吸いこんで心身共に健やかに。作・合作!
原材料:蓬 砂糖 大手芒 寒天/アブサン酒
今月のお話
『蓬』という漢字が気になったまめいちは、漢字大好き少年るい君に、『蓬』の漢字の成り立 ちを教えてくれませんか?とお願いしてみました。
すると、るい君。二つ返事でOK!してく れました。ありがたいです。
なんとなくですが。るい君に調べてもらい、それを受けて、イラストレーター佐々木洋子さ んにイラストにしてもらって、それを受けることで、わたくしの目標のひとつである
【まだ誰 も見たことのない和菓子をつくる】
が実現しそうな漢字が(´艸`*) あ!感じがしたのであり ます。
漢字大好き少年るい君からの『蓬の漢字の成り立ち』報告書をワクワクしながら待ちました。
すると!
とってもすごい報告書が届きました(*´▽`*)♡
この報告書を読み込んでいたら、何か不思議な呪文にかかったような 何とも言えない嬉しさあふれる気持ちになり、一刻も早く佐々木洋子さんに、 この報告書をお見せしなければ!!!
佐々木洋子さんにお見せするとお返事は
「かわいい文字で一生懸命に書いてある事に感動しました。 すごいですね♪文字からも春の香りが漂う雰囲気ですね。」
るい君の文字から春の香りが漂っているとは流石です。
彡 感激☆彡
るい君に教えてもらった『蓬』の漢字の成り立ちは
蓬のもたらす健康効果は絶大です。古来より重宝されている万能薬草です。 お灸のもぐさにも利用されています。そういったところからも、神様が宿る植物。納得です。
るい君!佐々木洋子さん!
本当にありがとうございました。
2022-03-20 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ
今月のテーマ
春 primavera
Primavera ボッティチェリの絵画 『春』 は 『愛』がテーマといわれています。ヴィーナスのもたらす 広い意味での『愛』を今一度思い 祈ります。
こういう時代だからこそ菓子には希望を込めたい 。そう思うのです。
桜もち
北海道小豆のさらりとしたこし餡入りの道明寺製です。大島桜の葉の塩漬けをくるりと巻いております。 まめいちの桜餅は白い道明寺のお餅です。それは、大島桜がなんとも愛らしい 白い桜の花を咲かせるからです。
原材料:北海道小豆 砂糖 道明寺 大島桜の葉の塩漬け
芽生え―クローリス―
ヴィヴァルディ マンドリン協奏曲を BGM に。春の暖かい空気に包まれこころがとけゆく喜び。 大地も生き物たちも植物たちも踊りだします。二十四節気「啓蟄」土の中で冬を過ごしていた虫 たちが姿を現しはじめるころ、心の中に自分自身もまだ気が付いていない何かが 芽生えているかもしれません。
原材料:大手芒 砂糖 きなこ 金胡麻 岩塩 ササニシキ米粉 羽二重粉 オブラートパウダー スプラウトブロッコリー
春の息吹
厳しい寒さを乗り越えた山の恵み。山菜にはぎっしりと栄養が蓄えられています。この恵みをいただくことで体にもこころにも栄養が行き渡り気が良くなり元気になります。
うるいにはビタミンcがたっぷり含まれており、免疫力を高める役割をしてくれます。ビタミン k も豊富に含まれておりますので 、骨の健康のために積極的に取りたい食材です。冬眠から目覚めるパワーを大地から。
感謝
原材料:グレープフルーツ 大手芒 砂糖 うるい 寒天
春花 ―フローラ―
ボッティチェリの作品『春』に登場する 花の女神フローラ。 春の風が吹いて大地が暖かくなり草が芽吹き、花がほころぶ、 笑顔もほころぶ 。新生活をスタートする春です。たくさんの経験やわくわくを味わいで表現してみました。
クランベリー、ピスタチオ、アーモンド、レーズン入りの カッサータ風クリームチーズを白あんで包み羊羹をかけました。
原材料:大手芒 砂糖 クリームチーズ クランベリー ピスタチ オ アーモンド ヘーゼルナッツ レモン 寒天/金箔
作・佐藤里恵
今月のおはなし
3 月 1 日生まれ サンドロ・ボッティチェリ は、 ルネサンス期のイタリア・フィレンツェ生まれの画家です。
今流行りの【バースデーカラー】占いをしてみたいと思います!
おや!3 月 1 日は【一斤染・いっこんぞめ】とでました!
特徴は、人を活気づけてくれる元気もの。
色言葉は、責任感・気くばり・優しさ。
ところで一斤染ってどんな色かしら… 紅花一斤で絹一疋を染めた淡い紅色。とっても素敵な春色 です。
ボッティチェリの性格と照らし合わせてみましたら、バースデーカラー占いあたってます。ボッティチェリは冗談を言ったり、ちょっといたずらしたり、コミュニケ ーションを大事にする方だったようです。
気になる方は、バースデーカラーで検索するとご自分の色を占えますよ!
ボッティチェリの作品の『春』は ずっと見ていると、絵から五感を感じます。優しい光、 やわらかい風、草花の香り、柑橘系の果物のような甘い味、小鳥の声やおしゃべり声… そして第六感ではヴィーナスの慈愛に満ちた微笑みに癒される気持ちを感じ、まるで自分が 絵の中にいるような感覚をおぼえてしまいます。
不思議なんですが、ボッティチェリの『春』を見ていると私の中の BGM は ヴィヴァルディの『春』。
アントニオ・ヴィヴァルディはイタリア・ヴェネツィア生まれ。バロック音楽の著名な作曲家 そうそう。ヴィヴァルディのお誕生日は 3 月 4 日。
バースデーカラーは【ポピーレッド】
特徴:平均的では満足しない人。色言葉は、主役・高尚・敏感。
ヴィヴァルディは、「作曲家 として成功したい!」や、「オペラでも成功したい!」という風に、常に上を目指すタイプだっ たようなので、平均的では満足しないというところ納得です。
ボッティチェリもヴィヴァルディも 3 月生まれだなんて、これまた不思議です! 春を表現するために生まれてきたのかしら…なんて ぐるぐる想像してしまいます。
ヴィヴァルディの曲を BGM に、そろそろおやつの時間にしませんか。