2025-07-02 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ

まめいちが50gの立体造形で表現したい事は…?

「心」 雲の上はいつも晴れ
昔の私の心は、本当に些細な事に傷つき落込みそれはそれは大変なものでした。和菓子を表現するという事で、偉人の言葉を学んだり、本を読んだり、実際にお会いして話を聞いたりいろいろ経験していく中で、少しずつ少しずつ、心が成長してきたという思いがあります。
和菓子が私に、「雲の上はいつも晴れなんだよ♪」と教えてくれたというイメージなのです。私が明るい気持ちになれて良かったよと思ったことを、和菓子を通して表現しています。
パイナップルの蒸留水と甘酒の錦玉羹です。
原材料:パイナップルの蒸留水 砂糖 甘酒 寒天 /金箔銀箔

「伝統」 葛焼き 面白庵好み
まめいちの和菓子は、創作和菓子ですが、伝統的な和菓子もしっかりと作れるようになりたいと、学びは続いています。日本伝統の菓子も若い方々に伝えていきたいです。裏千家茶道 面白庵の小谷先生からのご注文で作らせていただいた、小谷先生好み、茶席菓子の葛焼きです。
とろっとしてふわふわで幸せな気持ちになる菓子です。葛の中にこし餡を加えて蒸してから、表面を軽く焼いています。もし余裕があるようでしたら、テフロン加工のフライパンでリベイクしても美味しいです。お試しください♪
原材料:小豆 砂糖 吉野本葛 上新粉

「健康」 蘇り餅
紫蘇の名前は、中国でカニを食べた事で、痛み苦しんだ少年が、シソの葉を煎じて飲んだら蘇った。「紫の蘇る草」という意味で、「紫蘇」と名付けられたという伝説に由来します。赤紫蘇は、全身の疲労回復や、眼精疲労の軽減に効果があります。夏の疲れた身体を癒してくれます。
たっぷり赤紫蘇を練り込んだ求肥のお餅入りのこし餡の羊羹です。
私が知って良かった♪という食材をお伝えして食生活の中に取り入れていただけたらうれしいなぁという思いから表現しています。
原材料:小豆 砂糖 赤紫蘇 白玉粉 ディル 水あめ 寒天

「日本の暦」 神呼びの鈴
二十四節気七十二候 桐始結花(きりはじめてはなむすぶ)より
淡い紫色の桐の花が実を結ぶ頃、桐の実の付いた枝を振るとシャラシャラと音がします。巫女さんが舞に使う神楽鈴も、桐の実が由来なのだそうです。神様への感謝の舞に使う道具が、自然の中で作られるというのが神秘に満ちていて、あぁ、やっぱり人は、生きているのではなく、生かされているのだなぁと感じるのです。
知ることができて良かったなと思う日本人の心と移り行く季節の美しさを表現して行きたいです。
原材料:大手芒 砂糖 小豆 小豆の甘納豆 米粉 羽二重粉 生姜 片栗粉 /金箔
一緒に和菓子で世界目指しませんか!
まめいちは、2010年アパートの一室で製造の許可を取り「和のお菓子工房まめいち」お菓子を作って売り歩くスタイルからスタートしました。お客様のおいしい笑顔に会いたくて心こめこめお菓子を作って参りました。作って売り歩くスタイルが安定してきたとき、このままこの幸せが続けば良いなとぬるま湯に浸かっていました。すると、アパートの大家さんから突然!「ここね、住居専用になるから、出て行ってもらえないかしら〜」ギョギョ!
そうなんです。ぬるま湯に浸かろうとすると、いつもこうなんです。神様が、「お前はぬるま湯に浸かっている暇などない!次へ進め」と荒療治があるのです。
そこで、腹を決めて、2015年に本町に実店舗を構え、父と母とスタッフの4人で、父に焼菓子を焼いてもらい、母とスタッフにお菓子を売ってもらい、イートインスペースを設けて、お抹茶が一服できるようにして、毎日があっという間の楽しい日々がスタートしました。本町でのお客様との楽しいひととき。和菓子と絵本とギターのイベントをしたり。。。また、私はこのままこの幸せが続けば良いなあと思いはじめていました。。。
あ!こう思い始めるとまた神様からの荒療治が来る!次へ進まねば!と、お客様がゆっくり寛げる喫茶ができる空間。パフェが楽しめる空間を作ろう!と動きだし、現在の店舗、定禅寺店がスタートしました。
まめいちを本町時代から応援してくださるお客様、新しいお客様との出会い。そして、スタッフがしっかりとしているため、お店が安定して「和菓子まめいち」というお店が個人経営からまめいちというチームとして、動きだしました。お客様にも恵まれスタッフにも恵まれ、和菓子を楽しく作る毎日。このまま幸せが続けば~♪
あ…あ…あ…また、ぬるま湯につかろうとしている。。。
それと同時にやってきたのが、有難い大きなお仕事、頼まれごとの数々。ところが、私の頭の中はごちゃごちゃで、私自身がボトルネックとなっていて、前へ進めない状態。スタッフの良さを引き出せない状態。私の頭の中はすごいごちゃごちゃの山。エベレスト級のごちゃごちゃが積まれたごちゃごちゃでいっぱいの気の遠くなるごちゃごちゃ山。こんなにごちゃごちゃでは大変だと気が付いたスタッフが、私が本当にやりたいこと、ビジョンを明確にするという取り組みを1年かけて根気強く整理してくれました。そのスタッフが導き出した私の答えは「仙台を元気にしたい」「頼まれた有難いお仕事にお応えできる組織にしたい」 というのが根底にあることがわかり、前進することになりました。
そこで、この度、定禅寺通りのお店から徒歩3分のところに、お菓子を作る工房を作ることとなりました。まめいちで一緒に、楽しく、前向きに、チーム一丸となって、お菓子を作ってくださる方を大募集しています!そして、私の更なる夢である「美術館みたいな和菓子屋さんを開く」&「和菓子で世界をめざす!」一緒に目指してみませんか!!
我こそは!と思う方は和菓子まめいち→022-302-4720までご連絡お待ちしております!
2025-07-01 |
イベント,
日々つれづれ
いつも和菓子まめいちをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
普段は10~17時の営業で木曜定休ですが、いつもと違う営業日がございます。ご確認いただければと思います。
7月5日(土) 臨時休業 大口注文対応のため
7月14日(月) 10:00~14:30(ラストオーダーは14:00) 貸切営業のため
ご来店予定のお客様には大変申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
和菓子まめいち
2025-06-23 |
イベント,
日々つれづれ
本日、急用のため、誠に勝手ながら
15:30までの営業とさせていただきます。
(喫茶のラストオーダーは15:00とさせていただきます。)
せっかくお越しいただいたお客様には
大変申し訳ございません。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
和菓子まめいち
2025-06-09 |
スタッフ募集,
日々つれづれ
【製菓スタッフ募集のお知らせ】
和菓子まめいちのファンでいてくださる皆さまへ
和菓子まめいちをいつもご愛顧いただき、誠にありがとうございます。定禅寺店の開店から間もなく3周年を迎える中、様々なところから和菓子及び焼菓子のご注文をいただけるようになり、「お菓子の増産」という課題への対応が急務となってまいりました。これも、ひとえに、皆さまが当店のお菓子を愛してくださるお陰様です。 本当に、心より感謝申し上げます。
そこで、和菓子まめいちは、定禅寺店から徒歩約3分の場所に新たな工房を設け、お菓子の増産に踏み切ることにいたしました。これに伴い、以下の条件にて、この工房のオープニングスタッフを「2名」募集いたします。
店主まめいち(幾世橋)とともに、何よりも和菓子まめいちのお菓子を愛し、より高みを目指して、楽しく、前向きに、チームワーク良く、「覚悟を持って」働ける方!、是非まめいちにご自身の野望をぶつけにいらしてください!スタッフ一同、どのような方にお目にかかれるのかとワクワクしております!
<勤務条件>
●1日実働8時間(休憩1時間)、週末(土・日)及び祝日を含め週5日勤務できる方
*出勤開始時刻・お休みの曜日については、ご相談させていただきます
●時給 980円~
●交通費 1日500円まで
*定期券3ヵ月分をご購入いただく場合には、定期券代を全額お支払いいたします
●アルバイトから始まり、勤務状況により社員採用を経て、雇用保険及び有給休暇の取得有り
●従業員割引有り
●定禅寺店での研修を兼ねた勤務を経て、8月より、新工房での勤務を開始予定
お菓子を食べること・作ることが大好きな方、また、製菓経験のある方、大歓迎いたします!
ご興味のある方は、お電話にて、お気軽にご連絡ください。輝く未来のある和菓子まめいちを、一緒に盛り上げ、沢山のお客様に美味しい笑顔をお届けいたしましょう!
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
tel:022-302-4720
*面接日時は、個別にご相談させていただきます。
*面接時には、履歴書をご持参ください。
※履歴書は手書きでお願いいたします。
和菓子まめいち
幾世橋 陽子
2025-06-03 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ

今年も一年の半分が終わろうとしています。どんな半年でしたか?

飛翔の小道
露地とは、待合から茶室へと導く庭の小道のことです。飛び石や敷石に導かれるように進んで行くと、違う世界にいざなわれる感覚をおぼえます。
岡倉天心の茶の本は、露地とは自己の目覚めへの移行としての序章のようにとらえていています。千利休は、究極の孤独をめざして露地を作る極意を伝えています。小堀遠州は、ぼんやりとした夢の中をさまよいながらも新たな目覚めを迎えようとしている魂の状態として、露地の着想の句を残しています。
夏の木立の茂み
海が垣間見える
淡い夕月
夏の木立。異世界への敷石。いざなわれる不思議をイメージしてみました。黒糖わらび餅入り合わせあんのこなし製です
原材料:大手芒 砂糖 黒糖 わらび粉 小豆 きなこ 米粉 餅粉 寒天 ほうれん草 ビーツ /金箔

八陣の庭
作庭の名手として名高い小堀遠州の代表作、二条城二の丸庭園。どの方向からも素晴らしい眺望が得られるように作庭されたこの庭園は、八方から眺められるという意味を込め、またそれを中国三国時代の知将である諸葛孔明(しょかつこうめい)が考案した八陣に例え、「八陣の庭」と名付けられました。庭園の中心を担う池には蓬莱島という名の中島が浮かんでおり、その左右に長寿のシンボルである鶴と亀をそれぞれ模した鶴島と亀島が配置されています。これらは大陸より伝わった神仙蓬莱思想を表したもので、池を海、島を仙人の住む蓬莱山と見立てることで、永遠なる繁栄の願いを表しているのだそうです。蓬莱島の石組みは、どの方向から見ても常に鶴と亀が対を成すよう工夫されています。
遠州が茶人でもあったことから、緑茶をベースに、エルダーフラワーシロップとレモンで爽やかに仕上げた錦玉羹を池に見立て、粒餡と緑豆餡に抹茶パウダーをまぶして3つの島を表現しました。
手の平サイズのお庭を是非ご堪能ください。
作.千葉瑞葵
原材料:緑豆 砂糖 小豆 緑茶 エルダーフラワー レモン 抹茶 水あめ 寒天

雨手鞠
宇治市の三室戸寺。四季折々の花が楽しめるお寺があり、特に「あじさい寺」として有名です。あじさい園は山門の右手側に広がる「与楽苑」内にあります。与楽苑は、平成元年(1989)に「昭和の小堀遠州」ともいわれる作庭家・中根金作が手がけた、約5,000坪の広大な庭園です。見頃を迎える6月には拝観者で賑わい、紫陽花ライトアップや“ハートの紫陽花”も話題のお寺です。私にとって京都修行時代に母と行った思い出の場所です♡
カルピス羊羹にローズヒップハイビスカスとバタフライピーのハーブの錦玉羹で、雨に遊ぶ紫陽花をイメージしてみました。
こちらの和菓子は、イラストレーター舘野明日佳さんの2025カレンダーに素敵に描いていただいています♪
原材料:大手芒 砂糖 カルピス レモン ローズヒップハイビスカス バタフライピー 水あめ 寒天

元気餅
~和菓子の日の行事菓子~
和菓子の日の行事菓子がないのなら作りましょう!ということで、まめいちが考案しました。平安時代、16個の餅や菓子をお供えするところからはじまった行事。江戸時代は「1」+「6」で7つの菓子、七嘉祥に姿を変えました。令和の時代は、7つの食材を1つの菓子に込めまして現代人に合うように栄養たっぷり調整いたしました。
腸の調子を整える味噌、疲労回復のクエン酸の梅干し、食物繊維やタンパク質ビタミン、鉄分と栄養バランスの優れた小豆、粘膜の健康維持のためのβ-カロテン豊富な大葉、良質な脂質と旨みが濃厚な金ごま、ビタミン・ミネラル・アミノ酸豊富なかつお節と免疫力強化の青のりをまぶしました。
「一個食べれば 元気になる 元気餅!」
原材料:大手芒 砂糖 大納言かのこ豆 道明寺 仙台みそ 大葉 かつお節 梅 金ごま 青のり

水無月
~6月30日夏越の祓 行事菓子~
一年のちょうど半分にあたるこの日。半年生きてきて、何気なく犯してきた罪や穢れを祓い、年末大晦日までまた元気に明るく過ごせるように身を清める行事です。日本神話のスサノオノミコトに由来する風習で、茅(ちがや)という草で編んだ直径数メートルの輪をくぐる茅の輪くぐりが執り行われます。その行事菓子が「水無月」です。
三角形の氷に見立てた外郎に、邪気を祓うという意味が込められた小豆の甘納豆をたっぷりとしきつめたもちもちとした和菓子です。
原材料:小麦粉 砂糖 小豆 上用粉 浮き粉
今月のテーマは京菓子展
毎年、京都・有斐斎弘道館で開催されます『京菓子展』の今年のテーマが発表されました!去年は、時間切れで提出を断念しましたので、今年こそは!8月末が提出期日だと思われますので、7月末を私の中の提出期日にすれば、必ず間に合う!という事で、とことん調べて行きます☆彡
『小堀遠州と松花堂昭乗』小堀遠州さんはなんとなく耳にしたことあるけど、松花堂さんの方は、豪華な弁当という事しかわからないーーー!
なんでこのふたりなの?ふたりはどんな関係?何をした人?どんな人?
小堀遠州さん。近江小室藩主(1万2千石)で江戸初期の大名茶人です。大名茶人とは、領主でありながら茶の湯を熱心に学び普及発展に尽力した人の事を言います。幼少の頃より父新介正次の英才教育を受け、千利休、古田織部と続いた茶道の本流を受け継ぎ、徳川将軍家の茶道指南役となります。 書画、和歌にもすぐれ、王朝文化の理念と茶道を結びつけ、「綺麗さび」という幽玄・有心(「幽玄」とはもともと中国の仏教思想で教義の奥深さのこと。「有心」は文字通り無心の反対。つまり「深い心がある」という意味です。)の茶道を創り上げました。遠州は、後水尾天皇をはじめとする寛永文化サロンの中心人物となり、また作事奉行として桂離宮、仙洞御所、二条城、名古屋城などの建築・造園にも才能を発揮しました。
松花堂昭乗さん。慶長5年(1600)石清水八幡宮の社僧真言宗の僧侶です。次いで瀧本坊の住職となりました。昭乗は、書道、絵画、茶道の奥義を極め、近衛信尹、本阿弥光悦とともに寛永の三筆と称せられ、独自の松花堂流という書風を編みだしました。
【ふたりの出会い】小堀遠州の正室の妹が、中沼左京元知の妻となったことでその左京の実弟であった松花堂昭乗。そこでふたりの交流が始まります。松花堂昭乗は小堀遠州から茶道を学び、強く影響を受けたと言われています。このふたりの働きは平和な政治の下地となったと言われています。そしてとっても仲良し♪気が合ったのですね。
【空中茶室を夢みた男】小堀遠州は城づくりに全国飛び回り忙しい毎日。松花堂昭乗は八幡宮と幕府の橋渡し役でストレスのあるお勤め。そんなふたりが夢見たのは、『絶景を見ながら美味しいお茶が味わえたら最高だろうに!私たちにはそれができるんでは!』と、高さ7mの懸け造り(清水寺のような建物のイメージです!)空中茶室。雲に浮かんでいるような茶室『閑雲軒かんうんけん』を作っちゃいました!!千利休の「侘び寂び」に、江戸の華やかさをほんのりと重ねた「綺麗さび」なデザインが加わった茶室には、最先端の文化サロンとしてたくさんの文化人が集う場所となったそうです。
わたくし、まめいちは 3D8K茶室を夢見る女。時空を超えて、どうやらマッチングしてしまったようです
京菓子展大賞目指して、鼻息荒く挑みます!皆さま!応援よろしくお願いします(*´▽`*)!
2025-05-13 |
イベント,
日々つれづれ
いつも和菓子まめいちをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
臨時休業のお知らせです。
2025年5月/24(土) 大口注文の対応のため
ご来店予定のお客様には大変申し訳ございませんが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
和菓子まめいち
2025-05-13 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ

5月、そよ風が気持ちよくなってきて、どこかに出かけたくなる気分ですね

カタルシス
チャイコフスキー生涯で唯一の「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」いや、一生に一度しか作曲できないほどに、詰め込んで詰め込んで詰め込んだ100%という言葉があるなら、人生も含めて200%詰め込まれた1曲
ファーストインパクト、聴き終えた時、1本の感情を揺さぶられる壮大な映画を大迫力で観てしまったかのような、存分に満ち足りた気分になり、立ち上がれないほどに圧倒され、涙が流れていました。
和菓子をイメージするために、仕込み中、ご飯を食べる時、寝るとき、自転車で通勤中は自分でメロディーを口ずさみながら、何度も何度も聴きました。そして、色が見えてきました。はじめに強く見えたのは、紫色。何回も何回も聴くうちに、青色がゆっくりと見えてきました。なぜ紫と青なのだろう。。。
この曲の序奏は、じらしてじらして期待感がマックスになったところで主役のソロヴァイオリンがゆったりと登場しメインテーマを奏で出します。とてもドラマチックで、走り出すと止まらないエキサイティングするところなどは、ハラハラドキドキします。ドラマチックでエキサイティングで走り出すと止まらない!それはまさに!!恋のよう。えっ!!『♡恋♡』⁈この曲の背景を知るために、チャイコフスキーさんの「お心」をのぞかせていただきました。
この曲には、チャイコフスキーが愛した15歳年下の青年、ヴァイオリニストのヨシフ・コーテクが深く関わっています。アントニーナという女性との結婚に失敗したチャイコフスキーは深く心傷つき、心を癒すため長期のヨーロッパ旅行に出ます。スイスのクラランという町に滞在していた時、コーテクが傷ついたチャイコフスキーを慰めに訪れ、そのまま生活を共にし25日間でこの曲を作り上げます。コーテクがヴァイオリン部分を弾き、チャイコフスキーがピアノでオーケストラの部分を弾く。夢中になって作曲されたと言われています。のちにチャイコフスキーは、「コーテクがいなかったらこの曲は生まれなかったろう彼のヴァイオリンは本当に素晴らしい」と語っています。
ふたりの思いが旋律となり、溢れた...。
だから、紫と青だったのだろうか...。
ゆったりとしたメインテーマをこなし製のデザインでくぼみの部分はヴァイオリンに顎が当たっているところと弦を押える指と親指味は、カデンツァと言って独奏者の技術の見せ場のところからグリッサンド(指を滑らせながら弾く)をアーモンドプラリネペースト餡。ヴァイオリンの魅力を引き出す重音をキャラメリゼしたアーモンドプラリネ。2オクターブ高い音、人工ハーモニクスをサワーチェリーで表現しました。
このあと二人の恋は終わりを迎えることになりますが、この曲を生み出したことで、浄化したのかと思ったりするのは私だけだろうか…
原材料:大手芒 砂糖 アーモンドプラリネ サワーチェリー 米粉 羽二重粉 紫芋 バタフライピー /銀箔

一陣の奏
三大ピアノ協奏曲のひとつに数えられるチャイコフスキーの名曲、『ピアノ協奏曲第1番』。この曲は当初、チャイコフスキーが友人のモスクワ音楽院院長のニコライ・ルビンシテインに献呈する為に作曲した自身初のピアノ協奏曲でした。ところが、この曲を聞いたルビンシテインは心無い言葉で酷評し自分の意見に従って根本的に書き直すように提案します。
しかし、チャイコフスキーは友人の言葉に耳を傾けず、自らの信念に従い、曲を完成させるのです。当時の彼の心情に思いを馳せ、菓銘を【一陣の奏】とし、好んでいたとされるプリャーニクというロシアの伝統蜜菓子と紅茶から味のヒントを頂きました。
ハニージンジャーのピリリとしたアクセントにゴロゴロ入ったレーズンや濃厚なベリージャムと寒天の中で踊るレモン、紅茶の香りが織り成すハーモニーをお楽しみください。
作・千葉瑞葵
原材料:グリーンレーズン ゴールデンレーズン レーズン 砂糖 ラズベリー 生姜 紅茶 レモン 寒天 /金箔

本わらび餅
わらび餅の歴史は古く、平安時代、醍醐天皇が好んだと伝えられています。室町時代、千利休などによって茶道が広められ、お茶菓子として洗練され親しまれるようになりました。
つるりとしていて弾力がありながら口の中でとけゆく究極の菓子、本わらび餅。本わらび粉は山菜の根からわずかしか抽出できず高価で貴重です。じっくりゆったり味わっていただければと思います。
しっとりとした北海道小豆のこしあん入りです焦しきなこの香ばしさと共に極上のひとときをお楽しみください。
原材料:北海道大納言 砂糖 本わらび粉 特選焦がしきな粉

柏餅
子孫繫栄の象徴
柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないため「譲り葉」と呼ばれ、跡継ぎが絶えないという意味で、縁起が良い植物とされています。柏餅は古くから神聖な木とされてきた柏の葉で包んだお餅です
端午の節句の行事菓子。伝統を守り、今年も大切に作らせていただきます
こし餡製
北海道小豆のしっとりとしたこし餡です
原材料:北海道大納言 砂糖 上新粉 白玉粉 /柏の葉
白みそ餡
京都の石野の白みその上品なみそ餡です
原材料:大手芒 白みそ 砂糖 上新粉 白玉粉 /柏の葉
仙台で生のクラシックを聞いてみませんか?
仙台国際音楽コンクールは、3年毎に行われるコンクールです。2001年に仙台市が創設し今回は9回目を迎えます。5月24日から約2ヶ月間、世界各国から才能あふれる若い音楽家たちが、それぞれの思いを胸に、技を競いに、ここ杜の都・仙台にやって来ます!
勝ち進んだ者は、オーケストラをバックに演奏できるそうで、若い音楽家達にとって魅力のひとつであるのだろうなぁ♪自分がオーケストラをバックに演奏しているという事を想像しただけで、もうワクワクドキドキしちゃいます!!(まめいちは、ピアノもヴァイオリンも弾いたことはございませんが!(^^)!)こんな素晴らしいコンクールが仙台で開催されていると知ったら、和菓子で表現したくなってしまうのは当然です(*´▽`*)!!
まめいちでは、コンクールの課題曲からピアノ部門1曲、ヴァイオリン部門1曲選んで2種類の和菓子に表現してみました。
どちらも、5月生まれのロシアの作曲家チャイコフスキーの曲からの和菓子です!
2025-04-04 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ

今月のテーマは浮世絵。

まだらまどろむ
浮世絵界きっての愛猫家として知られる絵師、歌川国芳。常に複数匹の猫を飼い懐に猫を抱いて作画していたと伝えられています。
猫を描いた作品も多く、自身の自画像にも必ず猫が登場します。
今回の菓子は、特に国芳が好んでいたという斑猫をモチーフにしたこなしで、庭石に見立てた刻みアーモンドと黒豆入りの黒ごま餡を包みました。
肌に当たる空気が暖かくなり始めた今日この頃、猫達がそこかしこで寝そべる姿もそろそろ見られるでしょうか。
国芳の膝に抱かれた猫も、その温もりで微睡んでいるかもしれませんね。
作・千葉瑞葵
原材料:大手芒 砂糖 黒胡麻 黒豆 アーモンド ササニシキの米粉 羽二重粉 /竹炭パウダー

雪中の筍
雪の中、筍を掘っている浮世絵を見つけました。筍は春の旬のものなのにどうして雪の中なのだろうと思っていたら、中国の「二十四孝」という親孝行が特に優れた人物24人の話を記した書籍の中の一人、孟宗の親孝行のお話からのもので、浮世絵師・鈴木春信が「孟宗」を若い女性に見立てて描いたというものでした。【筍堀 浮世絵】で検索していただくと見ることができます!
病のふちの大切な母のために、食べたいと言った「筍」を、雪の中、ないとわかっていながらも泣きながら掘っていたら、突然あたり一面に筍が生えてきたというお話です。
この逸話から「孟宗竹」と名付けられた竹が生まれ、孟宗竹の筍は現在の人々にも春の訪れを告げています。
お母さんの筍ご飯が食べたいな~と思う頃♡
合わせ餡羊羹と、筍とフキのはちみつレモンの錦玉羹の二層仕上げです。
親孝行してますか?
原材料:大手芒 小豆 砂糖(国内製造) 筍 フキ 国産レモン はちみつ 卵白 寒天

花いかだ
茶道における炉から風炉に変わる時期は、この日に。という決まりはなく「そろそろ」と感じた頃にということなのだそうです。
この「そろそろ」という感じを菓子にしてほしいと淡交社なごみの企画「バイヤーが選ぶ春・初夏の和菓子」をジュンティーニ・キアラさんに推薦いただき作らせていただきました。
春と初夏の間を、桜の花が川を筏の様に流れていく風情に「そろそろ」をイメージし、外郎に桜の花の塩漬け錦玉羹クラッシュをのせ、バタフライピーハーブのブルーで餡を絞りました。
淡交社なごみに掲載いただいた菓子をお持ち帰りいただけるように調整しております。
原材料:大手芒 砂糖(国内製造) 白玉粉 上新粉 片栗粉 桜の花の塩漬け/金箔

かろやか
茶道に身を寄せるとざわついた心が整います。湯を沸かす炎が己の魂と、リンクするという不思議を感じます。
「炉」のときは「しずか」に、「風炉」になると「かろやか」に。
かろやかな味わいを表現してみたくて、尊敬する紅さんにご相談させていただいて、ピンクグレープフルーツの蒸留水とクロモジの蒸留水を作っていただき錦玉羹に仕上げました。
和ハーブの効果も加わって心がかろやかになるでしょう。
淡交社なごみに掲載いただいた菓子をお持ち帰りいただけるように調整しております。
原材料:砂糖(国内製造) ピンクグレープフルーツ 黒文字 ローズヒップハイビスカス 寒天

渾身の桜餅
和菓子の中で何が一番好きですか?と問われたら、いの一番に「桜餅!」桜餅の季節をどんなに心待ちにしていたか♡そんな私は、桜餅の葉っぱはもちろん食べる派です!なので、桜の葉はどのくらい塩味を残すか、葉の厚みは厚いとバリバリしてはいけません。薄すぎても味気がなくていけません。手の感覚でちょうどよい厚みを選別します。
もっちりとした道明寺のお餅、中のこしあんはすうっととけるような口どけ
極上の桜餅をお楽しみくださいー!
今月は、桜が咲く時期までのご提供となります。
原材料:北海道小豆 砂糖(国内製造)道明寺粉 桜の葉
まめいちと浮世絵の化学反応
来月の事にはなるのですが、『浮世絵』をテーマに和菓子教室を開催させていただく事になりまして、それにあたり、浮世絵の世界にどっぷりはまっております。丁度、大河ドラマも「べらぼう」江戸時代のメディア王、出版社の社長、浮世絵師の総合プロデューサー蔦屋重三郎のお話なので、毎週日曜日も欠かさずチェック!楽しみにしています。
大河ドラマを楽しむためにも、『浮世絵』を知るためにも、蔦重?時代背景?調べてみましょう!
そもそも浮世絵とは、江戸時代に盛んだった木版画のことで、庶民の日常生活や美しい風景、有名な歌舞伎役者、美人画を描いた芸術品です。葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳、喜多川歌麿、東洲斎写楽、聞いたことのある名前ばかりです。みんな浮世絵師です♪
大河ドラマの主人公、蔦重こと蔦屋重三郎は、なんだかすご い総合プロデューサーらしいのです!!
蔦重は、江戸幕府公認の遊女屋が集まる遊郭、吉原に生まれました、親が離婚したため7歳の時に母と別れて、吉原入口付近に店を構える引手茶屋(客の希望を聞き妓楼と遊女を手配する茶屋)「蔦屋次郎兵衛店」を経営している喜多川氏の養子となり幼少期を過ごします。23歳くらいの時に、お店の一角を間借りして書店・貸本屋「耕書堂」をOPEN!遊女たちに本を貸したりもしていました。蔦重の根底には常に【吉原を元気にしたい!沢山のお客様で賑やかにしたい!】というものでしたので、その思いから湧き出る行動が総合プロデューサー メディア王へと突き進んで行くわけです。遊女評判記『一目千本』を初出版するのですが、この際の出版の仕方、人の心理を巧みに読み取り、情熱で人を巻き込み、熱意でやり切る所など圧巻ですので、「べらぼう」第3話ご覧ください♪(え⁉何がすごいのかの説明になってないじゃないか!って!語りつくせない事に気がつきましたのです(;^_^A毎週日曜日大河ドラマをお楽しみに!!)
時代背景としては、田沼意次の勢いのある政治がありました。財政再建。商業を発展させようというところにも目を向けたため文化も発達しました。(蔦重の成功の裏側には田沼意次のある意味自由な政治があったからとも言われています)その後、天明の大飢饉、浅間山の大噴火と天災が相次いで起こり、米騒動!幕府も緊急事態宣言!米を送るなどするが状況は変わらず、米の値も一気に上がり、民衆の不満は爆発し、江戸近郊で一揆が勃発!それもこれも田沼意次が悪いと、政権から転がり落とされ、変わって松平定信が政権を担うようになります。そのことにより寛政の改革、贅沢禁止だよー!あの大奥だって贅沢は禁止なんだよー!という時代に入って行きます。(寛政の改革はあまりにも締め付けが厳しかったということもあり、こんな歌が詠まれたくらいです「白河の 清き魚も 住みかねて もとの濁りの 田沼恋しき 」あぁ濁った田沼意次の時代が恋しいの~)
浮世絵だって贅沢品ですので、大ピーンチ!
大ピンチでも、幕府に呼び出されようが何しようがビンタされようが罰金取られようが、あきらめないのが蔦重のひるまない精神のすごいところ! なにしたら『面白いかな』に果敢にチャレンジしてゆくのです
私も、蔦重のひるまない精神を見習って『まだ誰も見たことのない和菓子を作る!!』を突き詰めて、『仙台の和菓子屋なんか面白いことやってるぞ!仙台に行ってみるか!』となり『仙台に沢山のお客様が遊びに来てくださり賑やかになる』そして!!『杜の都がさらに元気になる!!』情熱と熱意でべらぼうだーーー!
第二週目・三週目・四週目の土曜日曜に!浮世絵和菓子を創作しますよ!お楽しみにですー♡
2025-03-05 |
ひと月の和菓子,
日々つれづれ

仙台はまだまだ寒いですが、三月と聞くと春の訪れを感じますね。

夢見草
桜のことを夢見草ともいいます。いったい誰が名付けたのだろう。ふわふわと咲く桜はまさにまるで夢を見ているよう。華やかで美しくそして儚い。春を迎える喜びと、桜の花に、春の神様の佐保姫を重ね合わせてイメージしました。
刻み桜の葉入りのホワイトチョコ餡を合わせ餡で包んだこなし製です。
原材料:大手芒 北海道小豆 砂糖 ホワイトチョコ 桜の葉 ササニシキの米粉 羽二重粉 寒天 片栗粉

咲祝餅(さきわいもち)
新年を祝う縁起菓子『花びら餅』から着想を得て生まれた、春の到来を祝う餅菓子です。 まだ蕾の状態の桜の姿に見立てた金平ごぼうを、ハニーピーナッツ入りの仙台味噌餡と共に金胡麻を練りこんだ餅で包みました。 菓銘は、あたり一面に植物が花を開き、実を結んで、人間に心地よさや収穫の喜びをもたらしてくれる状態を意味する「幸い(さきわい)」、古語では「さきはひ」と呼ばれ、「さき」は花が咲くの「咲き」、「はひ」は地を這うことの「這い」で、ものごとが地を這うように広がっていく様子を表すこの言葉から『咲祝餅(さきわいもち)』と名付けました。
あまじょっぱさとナッツのアクセントがクセになる味わいを是非ご堪能ください。
作・千葉瑞葵
原材料:大手芒 砂糖(国内製造)上新粉 白玉粉 ごぼう 人参 仙台みそ ピーナッツ 金胡麻 しょうゆ 日本酒 片栗粉

渾身の桜餅
和菓子の中で何が一番好きですか?と問われたらいの一番に「桜餅!」桜餅の季節をどんなに心待ちにしていたか♡そんな私は、桜餅の葉っぱはもちろん食べる派です!なので、桜の葉はどのくらい塩味を残すか、葉の厚みは厚いとバリバリしてはいけません。薄すぎても味気がなくていけません。手の感覚でちょうどよい厚みを選別します。
もっちりとした道明寺のお餅中のこしあんはすうっととけるような口どけ極上の桜餅をお楽しみくださいー!
原材料:北海道小豆 砂糖(国内製造)道明寺粉 桜の葉

~二十四節気七十二候和菓子~蟄虫啓戸(ちっちゅうこをひらく)
春の光
春の光に誘われて、冬眠していた虫たちが地中から動きだすころ。私たちの身体の中、心の奥底の意識も動きだすころです。自分の心の深いところに春の光をあて、心の目で見てみれば、本当の気持ちに気がつきます。
さあ。春の光、とどきましたか?
北海道小豆のつぶあん入り蓬羊羹です
原材料:北海道大納言 砂糖 蓬 砂糖 寒天 水あめ/金箔
春うらら
希望を胸に寒さに耐えておりました。風の中にふと「ぬるむ」瞬間。それはなんとも言えぬ、どこから湧き出るのか幸せの瞬間。
今月は春の到来を祝う菓子たちです。
3月のことを、「弥生やよい」と言いますが、語源は「草木弥生月くさきいやおいづき」が変化したものなのだそうです。木や草がますます生い茂る月。眠っていた生物たちが動き出し、さあ起きるぞと、両の手をぐぐんと伸ばし、背を伸ばし、大地が色づき始める月。日に日にあたたかくなり、うれしくなり思わずにっこりしてしまいます。次々と花を咲かせる草木たち、春の空気の中にはいっぱいの笑顔があるのです。
先日こんなことがありました。母を車椅子にのせ、施設の近くの薬局に連れて行ったとき、どこからか、ふっとぬるい風がふきました。「春の妖精が笑ったのよ」母がそんな風に言ったので、「お母さん!ここでも妖精笑った!ここでも笑った!」とふざけながら、笑い合っていました。(知らない人が見たら不思議な親子。親が親なら子も子であるのである)
春の風のゆるんだ空気の中には沢山の妖精が集まっていて、花を咲かせているのだろう。そして、どこからやってくるのか湧き出てくる幸せの不思議は、神様の仕業です。春の光の神様がわたしたちに、幸せのおまじないをかけているってそんな風に感じます。
日本での「春をつかさどる神様」は佐保姫です。白く柔らかな春霞の衣をまとった佐保山に宿る若々しい女神様です。佐保姫は、桜をはじめとする、美しい春の景色を象徴し、豊穣と新しい命、季節の変化の象徴として信仰されてきました。優しく穏やかで慈悲深い佐保姫は、春の訪れと共に、希望と幸せをもたらします。佐保姫が笑うたびに、花がひとつまたひとつと咲いて野山をやさしい春色に染めて行きます。春の幸せの瞬間を感じたら、それは佐保姫からの春色のプレゼントです。
受け取れる心の空間をあけておきたいと思います。
ひとりの人間としても、季節を感じ表現する和菓子職人としても、今年も春の訪れに感謝して。季節を感じて菓子を作れる事に感謝して。
心を込めて、笑顔の菓子をひとつひとつ花咲かせて行きたいと思います。
2025-02-10 |
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