今月のテーマ『まだ間に合う徒然草』
京都 有斐斎・弘道館では、毎年、京菓子展が開催されています。 今年のテーマは「手のひらの自然-徒然草」です。
兼好法師、徒然草は700年前の日本の優れた随筆(心に浮かんだこと、見聞きしたことを筆に任せて書き留 めたもの)の一つです。徒然草に触れ、感じたものをかたちにして、あなたも公募してみませんか?
募集内容「京菓子デザイン部門」「茶席菓子実作部門」。締切日2021年8月31日。
※詳しくは、【京菓子展 手のひらの自然-徒然草】で検索してみてください。
~今月のお菓子は写真左上から右回りにご紹介しています~
触発輪心
「心は必ずことにふれて来たる」チーズ餡を黒ごま餡でつつみこなしの生 地でくるみました。
原材料:大手芒 砂糖 黒ごま チーズ ササニシ キ米粉 羽二重粉
つれづれ餅
北海道小豆とよみをじっくりほっくりつぶ あんに炊き上げ、お醬油道明寺でつつみ ちょっとピリ辛ラー油をぬって 海苔をのせて仕上げました。
原材料:北海道小豆とよみ 道明寺 砂糖 醬油 オ ブラートパウダー ラー油 のり 藻塩
水羊羹
兼好法師さんからのリクエスト和菓子。
原材料:北海道小豆 和三盆 寒天 葛粉 米飴 藻塩
軽妙洒脱
いろいろそぎ落として軽やかに生きようよ。
原材料:大手芒 砂糖 卵 薄力粉 上用粉 レモン 水飴 寒天
つるべ落とし
人生ってあっという間のつるべ落とし 存命の喜び日々楽しまざらんや。
原材料:黒砂糖 グラニュー糖 梅 寒天 水飴
〇△□〇△□〇△□〇△□〇△□〇△□〇△□
こんにちは、兼好です。
〇△□〇△□〇△□〇△□〇△□〇△□〇△□
京菓子展でわたしの書いた随筆がテーマとは嬉しい限りです。 みなさんが、どんな京菓子を作られるのかとても楽しみです。
まさか、この様に700年後のみなさんに読んでいただけるなんてこれ少しも思っていなかったので(ちょっぴり期 待はしていましたが…)。
ちょっと辛口だったり、バッサリだったり、考え方が360度変わっちゃっているように見えち ゃったりしていますが、根本となるのは仏の教えで、もともと趣味である人間観察や見たり聞いたりした話から、 わたしの物差しの尺度に照らし合わせたものとなっております。
読んだ方が、ちょっと心が軽くなり、こだわっていた事を少し手放すきっかけになり、人生をもっと楽に肩の力を 抜いて生きてほしい。そんな思いでつれづれなるままに筆をはしらせました。
たのしく生きないと
人生とは びっくりするほど 一瞬だからね!
どんなことをつれづれなるままに書いたかと言いますと
●心を磨きましょう ●恋のススメ ●煩悩との付き合い方 ●人の心とは、触れるものによってコロコロコロコロと変わる話 ●魅力的な人とはどんな人ですか ●お酒が過ぎるとこんな事になる痛い話 ●「美」について ●何年生きれば満足ですかという話 ●こういうお家に住みたいなという話 ●財産や名誉が増えると幸せになれない話 ●勝負に勝つ秘訣 ●名人と素人の違いについて ●プロの道の究め方 ●無常について などなど。
243段ございます。
〇△□〇△□〇△□〇△□〇△□〇△□〇△□
教えて!まめいちさん!
どうやって公募の京菓子を考えるの?
〇△□〇△□〇△□〇△□〇△□〇△□〇△□
京菓子とは、季節の繊細な移り変わりを表現し、銘(菓子の名前)によって無限に世界が広がります。 日本人の感性と美意識の詰まった50g の立体造形です。
先ずは「徒然草」を読みましょう!
とても読みやすくわかりやすくなっている本もたくさん出ています。
ピンとくる部分があったら、その部分に入っていきキラキラしているか感じます。キラキラしていれば OK! 季節感や情景が感じられるところがあれば、そこにフォーカスしていっても OK!
例えば、水面に花が一枚ひら りゆらゆらしていたり、水しぶきに涼を感じるシーンだったり、夕陽に包まれている色合いだったり、雪にすっ ぽり覆われて真っ白だったり。
水面の花ならどう表現したらいいかな…夕陽の色ってどんな色かな… 逆に、こういう形の菓子が作りたいという「形」先行の場合は、その形の内容を、徒然草 243 段の中から選び ます。
そして、どの季節に合わせた菓子なのかやどんなシチュエーションの菓子なのかを考慮して「銘」をつけ ます。
それから、なるべく菓子は抽象化するためにそぎ落としていく作業が入ります。抽象化することで食べる 側の想像の領域を広げることができます。
兼好法師が何を伝えたいのだろう…というところにフォーカスするのも面白いかもしれません 。
徒然草から読み取って菓子にするなんて難しいーーーーーーーーーーーと嘆いているそこのあなた! 兼好法師は懐が深いーーーので、逆に自由!自由に表現を楽しめます!
兼好法師からのメッセージです。
「美味しい菓子を楽しんで作ってねーーー弘道館で会おうじゃないか!」