和菓子は茶道とともに発展してきたのです
移ろい
山粧うという言葉があります。これは秋の山が紅葉で粧っているようだという表現です。春は「山笑う」夏は「山滴る」秋は「山粧う」冬は「山眠る」 山が秋から冬へ移ろいゆくところをイメージしてみました。 移ろうけれどまためぐる「万物静観すれば皆自得す」
栗あんをビーツとクチナシ、黒胡麻とほうれん草で色づけしたこなしで包みました。
原材料 大手芒 砂糖 栗 黒胡麻 氷餅 ビーツ クチナシ ほうれん草 片栗粉
亥の子餅
「源氏物語」にも登場する、古い歴史を持つ菓子のひとつ。亥の月の亥の日の亥の刻に無病息災・子孫繁栄を願って食べる菓子です。
北海道大納言の粒あんにごろごろと渋皮栗を入れて炊き込んだ餡を、黒ごま入りの求肥のおもちで包みました。
原材料 北海道大納言 渋皮栗 砂糖 白玉粉 黒ごま 片栗粉
木守り
収穫の終わった柿の木にポツンと一個残された柿の事を「木守り」といいます。これは自然への恵みの感謝や、寒くなってきて食べ物が少なくなってきたほかの生き物たちへの分として残していたり、八百万の神々への来年の豊作への祈りなどが込められ、ひとつ残されている日本の独特な風習です。
あんぽ柿あん入り富有柿の羊羹です。
原材料:富有柿 砂糖 あんぽ柿 大手芒 ほうれん草 寒天/金箔
二十四節気七十二候 立冬 第五十六候「地始凍 ちはじめてこおる」
霜柱
朝の空気がピンと冷たく張りつめたように感じてくると「冬が始まったのね」と。寒いけど、どこかわくわくするような、そんな気持ちは一体どこから湧いてくるのだろう。冬の朝、地面を押し上げている氷の柱、霜柱をイメージしてみました。
丹波つくね芋あんをほんのり柚子錦玉羹ではさみました。
原材料: 丹波つくね芋 砂糖 柚子 寒天
今月のテーマは「炉開き」
茶道の世界では11月は特別な月で「茶人のお正月」とも言われています。炉開きの「炉」とは湯を沸かすための火床のこと。5月~10月は「風炉」といって卓上式のものを使いますが、11月からは茶室の畳を切って備え付けられている「炉」を使います。炉を開いて火を入れ、その年に摘んだ新茶をいただきこれからの無事と祝と喜びを皆で祈る儀式です。茶道ではとても重要な日とされています。
千利休は、炉開きする頃を「柚子の色づく頃に炉を開く」としていたそうです。
手の先が冷たく、吐く息が白くなってくる頃ですね。「炉」は火床が少しお客様に近いので、少しでもあたたかく過ごしてほしいと思う思いやりの表れです。奥深い。
まめいちでは、今年も茶人 面白庵の小谷先生より、炉開きの行事菓子「亥の子餅」のご注文をいただき、心を込めてお作りさせていただきました。なぜ炉開きにいのししなのか。それは、現在の11月頃のことを亥の月といい、“亥”は中国の陰陽五行節で水性に当たることから、火災を逃れるという考えがあり、古くから亥の月の亥の日に、囲炉裏やこたつ開きをする風習あったためなのだそうです。(2025年、今年の亥の月の亥の日は11月2日の日曜日です)
ということなので、今年もまめいち「亥の子餅」火災を逃れるという思いを込めて、心こめこめ作らせていただきます。
亥の子餅を作っているとき、亥の子ちゃんたちがブヒブヒブヒってかわいくってしょうがないです、今年も無事つくれることに感謝です♪











