今月のテーマは「重陽の節句」、別名「菊の節句」と呼ばれています。
菊花の宴
菊祓い。菊の香りで邪気を祓い、健康長寿を祈ります。また、菊の花を浸した「菊酒」を飲む事で邪気を祓います。
行く末の秋を重ねて九重に千代までめぐれ菊の盃 (続千載集・566)
宮中での菊の宴。菊の花を浮かべて菊の盃。長寿を願う菊の歌。
菊の花餡をつぶ餡で包んだこなし製です。
日本酒の錦玉羹には菊の妖精がひとひら。
原材料:大手芒 砂糖 北海道大納言 菊の花 米粉 羽二重粉 ほうれん草パウダー ビーツ クチナシ 片栗粉 日本酒 寒天 水飴
白露
霜が降り、白く輝くように見える頃。
『白露』をイメージしたシンプルなこし餡の上用饅頭。
この夏休みに、まめいちは京都の「和菓子店青洋」さんの和菓子教室に参加して、上用饅頭の美味しい作り方を学んで参りました♪
丹波のつくね芋でお芋の声を聴きながら丁寧に作る事を学んできました。
この真っ白いお饅頭にどんな物語をこめてゆこう
原材料:北海道小豆 砂糖 丹波つくね芋 上用粉 酢
縄文DNA
重陽の節句には、みんな大好き栗ごはんを食べる風習があり、秋の収穫を祝う意味が込められています。
栗の起源をさかのぼると縄文時代にたどり着きます。
「栗が好き」というDNAが受け継がれている不思議を味わいのハーモニーで表してみました。
ブランデー入り栗餡を道明寺のお餅で包み特選きなことココアをまぶしました。
原材料:大手芒 砂糖 道明寺 国産栗 ココア 特選きなこ ブランデー
甘藷百珍~いもひゃくちん~
「芋名月」がありますが、この芋は主に里芋さんのこと。里芋さんも栗さんと同じく縄文時代からさつま芋さんの登場は、なんとゆっくり江戸時代。江戸でさつま芋は十三里という名で大ブーム!「栗(九里)より(四里)うまい十三里」がキャッチフレーズに!
『甘藷百珍』という123種類のサツマイモ料理を紹介している料理本が1789年に出版されています。
124品目に、是非に是非にまめいち人気のさつま芋羊羹をここに立候補させていただきます!!
原材料:さつま芋 さつま芋甘露煮 醬油 酒 あごだし 昆布だし 黒胡麻 水あめ 寒天
お供え花のイメージの強い菊ですが、とっても素敵な習わしがあるのをご存知でしたか?
9月9日は、1/1・3/3・5/5・7/7・9/9⇒五節句のひとつ『重陽の節句』。中国では奇数を陽の数、縁起が良いとされていますが、陽の数字も重なると陽が強くなり不吉となると考えられ、邪気を祓う風習が根付きました。今月の9が重なるこの日は、最も大きな陽数なので、しっかりと行事を取り入れて、不吉からの大逆転!幸運ラッキーハッピーをゲットしちゃいましょう!
『重陽の節句』の主役は、『菊』。別名『菊の節句』とも言い、菊の花を浮かべた酒で祝ったり、菊の花に綿をのせ夜露をすわせて菊の花の香りの移ったその綿で顔や体を拭って邪気を祓い健康長寿を願う風習がありました。
平安時代の初期に中国から日本に伝わってきた習わしで、古くは、685年 第40代天武天皇が重陽の宴を催した記録が残っています。「和菓子の日」でお馴染みの第54代仁明天皇の時代に重陽の宴は儀式として定着したと言われています。仁明天皇は菊を大変好みました、それも、黄色い菊が大好きで、宮中のあちこちにも植え、衣装も黄色にしちゃっていたのだそうです。仁明天皇が好んだ菊の花をイメージした少しくすんだ黄色のことを「承和色(そがいろ)」といいますが、これも仁明天皇在位年号の「承和」からきており、この時代、仁明天皇イエローブームが起きていたことは想像ができます。
なぜ仁明天皇はそんなにも「菊」が好きだったのだろう?
漢学、書、文学と教養深い知識人でしたので、中国で霊薬と言われる「菊」の魅力にとりつかれたひとりだったのではなかろうか!
中国の【菊水伝説】も仁明天皇きっと知っておられたはず!どういうお話かと言いますと。
菊水伝説「菊慈童(きくじどう)」古代中国の説話。
王の神聖な枕を誤ってまたいでしまった少年、慈童。死罪に値する大きな罪。悪気はなかった慈童に王は哀れに思い、死を免れさせる代わりに人里離れた山奥に流しました。そして、枕に書かれていた仏の教えを毎日欠かさず唱えなさいと伝えました。山中ひとり慈童は王様の言う通りにしました。そして、仏の教えを菊の葉に書き写し続けました。すると不思議なことに、その神聖な文字の書かれた菊の葉から滴り落ちる夜露が、なんと谷川の水を不老不死の薬に変えたのです。その水を飲み続けた慈童は700年も若々しい少年の姿のままでしたというお話。
仁明天皇は体調管理に大変気をつけておられたそうですから、菊はお薬としての役割もあったのかな?
菊の花はなんてたって漢方薬☆彡解毒作用、抗酸化作用、鎮静作用、眼精疲労、頭痛、めまい、ドライアイ、イライラ解消、血行促進、抗うつ作用、リラックス効果、疲労回復!!!
なんだかすごいね!菊の花!これは、食べないって言うのは、もってのほかだヽ(^o^)丿