今月のテーマは手ぬぐい。
包んだり、巻いたり、飾ったり。どんなお菓子が生まれたのでしょうか。
想いを染めて
永勘染工場様のホームページを拝見しますと、最初にこの言葉が登場します。「染物には伝えたい言葉があります 見せたい景色があります 届けたい想いがあります 想いを込めてと人は言いますが私たちは 想いを染めて と考えます」伝統と情熱と未来を手ぬぐいで折り込み、丁寧にお仕事をされているイメージでお作りしました。
さつま芋餡きなこ餡りんご餡の紫芋のこなし製です。
原材料 大手芒 砂糖 小豆 りんご さつま芋 紫芋 米粉 羽二重粉 片栗粉
糊置き 雲散霧消
糊置きとは、のれんなどを染める際に使われる技法で、屋号などの文字や図柄の染めたくない部分に餅米やぬか、塩でできた糊をのせて染めることによって、水元と言って洗い流すと、糊が流され、白抜きの文字や図柄がきれいに染め抜かれるという大事な作業のひとつです。洗い流すと跡形もなく糊は消えてしまいますが、消え去った後には美しい模様だけが残る。私もそういう人生にしたいと、和菓子を作りながら思うのでありました。
こちらの和菓子、レンコンがあるように見えますが、実はそこにはもうレンコンはいません。レンコンは模様になったあと、次の世界の浮島に変身して美味しい食感となっています。
蓮根黒胡麻浮島と黒胡麻羊羹
原材料:大手芒 砂糖 黒胡麻 レンコン 山芋 寒天
~二十四節気七十二候和菓子~地始凍(ちはじめてこおる)
七十二候「地始凍」
大地が初めて凍るころという意味です。早朝は水面にも薄く氷がはり、氷の世界への入口です。氷が作り出す不思議アートが始まります。小春日和で日が昇ればすぐに溶けてなくなってしまう頃でもあります。早朝の薄氷の瞬間をイメージしてお作りしました。
あんぽ柿とラム酒漬け柿のほんのり柚子の錦玉羹と、しっかりつぶあんの2層の羊羹に寒梅粉をふって薄い氷を表現してみました。
原材料:小豆 砂糖 あんぽ柿 柿 ラム酒 柚子 寒天 水飴
亥の子餅
亥の子餅は亥の月の亥の日の亥の刻に食べると(2024年11月7日21時~23時)無病息災や子孫繫栄が叶うとされてきました。「亥」は中国の陰陽五行説で水性にあたることから、災難を逃れるという考えがあり、この日に囲炉裏やこたつ開きをする風習がうまれました。
源氏物語にも登場してくる、いにしえから伝わる菓子のひとつでもあり、11月に行われる茶道の大切なお茶会「炉開き」には欠かせないお菓子です。
刻み栗入りつぶあんの黒胡麻入り求肥のお餅です。
原材料:小豆 砂糖 白玉粉 渋皮栗 黒胡麻 片栗粉
まめいち、手ぬぐいを作る
わたくしまめいち手ぬぐいが大好きで、いつかまめいち特製のまめいち手ぬぐいを作りたい!と思っていました。この度、若林区南染師町の永勘染工場さまとの出会いがあり、その夢が実現することになりました!永勘染工場の社長様にお会いし、いろいろご説明をいただきながら感じたことは、社長様の心にはキラキラとしたせせらぎが流れていて、染めるという伝統を守りながらも、新しいことへのチャレンジの情熱が伝わって来て、まめいち手ぬぐいが必ず素敵な仕上がりになるという事でした♪
有難いことに、染工場見学もさせていただきました。工場の中に入ると神棚がきれいにしてあり、神様が見守っている中、染め作業が行われていて、私の目には『天女が染めている手ぬぐいだ』と見えました。もうワクワクが止まりません♪
手ぬぐい染めには、染め方にもいろいろあります。まめいちは、使い込むほどになじんでくる本染め加工の注染手ぬぐいにしました。デザインは、来年の宮中歌会始のお題『夢』をテーマにまめいちがデザインし、永勘染工場さまでデータにしてくださり、それをもとに、手ぬぐいに巻く帯も作っていただくという!私の長年の夢が叶おうとしている―!!!
あー!!!ドーパミンあふれでるーーー!!!
社長様から糊をつけて染める方法のレクチャー中に、わたくし和菓子のアイディアがひとつ閃いてしまって…今月のどのお菓子になったのでしょう(笑)
この時、降ってきたアイディアは、レンコンと山芋です!
社長様!本当に、貴重なお時間と経験をありがとうございました!
まめいち特製のまめいち手ぬぐいは、来年のお正月のお福箱にお菓子と一緒にお詰合せしての販売です♪
皆さま!お楽しみにです♪