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2022-11-08

ひと月の和菓子【2022霜月】

20221101

今月のテーマ

「それはFEEL これもFEEL」

2022京菓子展からのFEEL「お菓子ってアートやん」「感じるままに相手が美しい食べたいと思える」「コンセプトがいかに新しいか」「造形の美」「独創性」。

感じることから和菓子まめいちは次のステップへと進みます。

 

Harvest ―実り―

京番茶のスモーキーな香りの浮島にあんぽ柿の羊羹を忍ばせ胡桃餡と胡桃羊羹で包みました。たわわに実る柿の木のように様々に沢山の実りとなりますように願いを込めました。

おかげさまで京菓子展入選のさせていただき、製作していく中で沢山の学びがありました。挑戦することで大きな「実り」となりました。これからも感謝の気持ちで精進してまいります。

原材料:大手芒 砂糖 黒糖 薄力粉 上用粉 胡桃 卵 あんぽ柿 松の実 京番茶 藻塩 寒天   佐藤里恵作

火守 ―Homori―

11月19日裏千家では「銀杏餅」という主菓子で宗旦忌の茶会が開催されます。今日庵に三代目家元 千宗旦が植えたとされる大銀杏の木があります。何度も大火に見舞われた京都でありますが、この銀杏の木が、今日庵が燃えるのを防いだと伝えられており、裏千家の守り神として崇め奉られております。

京人参と銀杏の錦玉羹とこし餡羊羹のハーモニーをお楽しみください。

原材料:小豆 砂糖 黒糖 京人参 翡翠銀杏 藻塩 寒天

 

初志 ―Shoshi kantetsu―

「蓮華の五徳」という仏教の言葉があるということを知りました。菓子は「除災招福」あらゆる災いを除き福を招き入れるものであります。

皆様に幸せが訪れる菓子づくり。その為には、五徳の蓮の花になる前の蓮の種の部分から。菓子づくりの精神を磨いて行こうという思いを込めて蓮の種をイメージしてみました。

蓮根入りこし餡を大徳寺納豆入りのこなしで包みました。

原材料:小豆 砂糖 大手芒 蓮根 大徳寺納豆 ササニシキの米粉 羽二重粉 オブラートパウダー

 

亥の子餅 ―Celebration―

亥の子祝の行事菓子。イノシシは多産であることから子孫繫栄への願いや亥は陰陽五行説で「水」にあたることから火難を逃れるという信仰があり、茶の湯の世界でも、「炉開き」の菓子として用いられています。

「源氏物語」にも登場する歴史の深い菓子で一服お茶にしませんか♪

原材料:小豆 砂糖 栗 白玉粉 片栗粉 黒胡麻

 

京菓子展によせて

皆様のおかげさまで、今年も京菓子展チャレンジすることができました。
まめいちスタッフ佐藤里恵、まめいちこと幾世橋陽子、入選作品に選んでいただき、授賞式に参加させていただくことができました。
今回は入賞とまでいかず、この意味を感じたい。今の私に何が必要なのかを知りたい。その思いで製造部スタッフ3人組で京都へ行って参りました!

京都は伝統と革新の都。

今回の旅で改めて、何か芯がありながらも絶えず変わってゆく。そういうものを感じました。

今回の京菓子展のいろいろな分野の先生からの審査における評価も「コンセプトがいかに新しいか!」「京菓子における、型の部分から、どの様に独創性を見出しているか」という所のご指摘が多かったように思いました。

うおーーーーーーー!ハードル上がってるーーーーーーーーーーーーーーー!!!

これはもう今まで通りのことをしていたのでは、まめいちは埋もれてしまう(焦り!!)そう感じざるを得ません!

さー!どうしたらいいのか!
有難いことに、師匠の太田さんとじっくりお話させていただくことができました。
太田さんのワールドワイドな菓子の世界と相手を思った菓子づくりの奥深さを感じ、涙があふれてきました。
そして、、、

その後まめいちは「感じる」という事の奥深さを肌身で感じてしまうこととなったのです。。。

それは、茶の湯。茶道文化についてです。

 

さかのぼります事、老松修行時代。

先輩方はすでに茶道を当たり前のことのようにされていて、私は「やりなさい」と言われていないからやらなくていいのだと思って働いていました。喫茶部門で働いている時も必要性を感じながらも見よう見まねでこういう風にすればいいのかなと、教えられるままにお茶事のお手伝いをしていました。

仙台に帰ってきてやっぱりやった方がいいのかな?とザックリ思い、初心者向けの茶道教室に半年楽しく通いはしたものの忙しさにかまけてそのままになっておりました。

6年前、太田さんに「茶道ってやっぱりやった方がいいんですかね?」と聞いたところ「感じたらええねん♪」と。私はまたも「やりなさい」と言われなかったからいいんだ!と思いそのままにしていました。
そして1年前、これからどうしていったらいいかわからなくなり、太田さんに、どうしたらいいのかたずねてみました。
沢山のアドバイスの中に「岡倉天心のThe Book of Tea読んでみはったらええで~」とあったのですが、その時は、この本は茶道の手引書だから一番最後にしようと、読んでいませんでした。

今回、京菓子展入選のお知らせをいただき、太田さんにお会いできる切符を手にしたまめいちは、最後にしていたミッション、茶道のお話「The Book of Tea」を読み始めました。

するとどうでしょう!

茶道の手順などの手引書と思っていたのは間違えで、「お茶」というものが、いかに日本文化の集約であり、「お茶」に日本人の精神や美意識が詰まっているという事が書かれた哲学書であったのです!

 

やっぱりやった方がいいのではないかと思ったまめいちは、今回もまた太田さんに「茶道ってやった方がいいんでしょうか?」とたずねました。すると答えはやはり同じ「感じたらええねん♪」

そっかーヽ(^o^)丿☆彡やっぱり感じたらええんやーーーーーーーーーーーヽ(^o^)丿☆

と浮かれたのですが、老松修行時代から大変お世話になっている老松総務部長の聖子さんにかくかくしかじか話してみました。すると!!!なんと!!!聖子さんは

「太田さんは、やりなさいって言わへんよお~」

とおっしゃたのです。強要しないと言うのです。

そそそうかーーー(ToT)そうだったのかーーー(ToT) 茶道というものは「やった方がいい」と、言われてやるものではないのだーーー(ToT)

 

まめいち!目が覚めました!!!

まめいちは、随分と遅れをとってしまいましたので、ここで決意しました!

茶道千日回峰行!

千日毎日茶道をします!もし、一日でもさぼったら、丸坊主にします!

面白庵小谷さんに毎週木曜日にお稽古もお願いしました!

基本を身につけ、想像の翼を大きく大きく広げたい!そう強く思うまめいちなのであります!!!

 

今月のテーマは「FEEL!」京都の食材を感じてお菓子にしてみました。

 

20221102

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